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眼鏡型端末

文字読む喜び「オトングラス」普及へ資金募る

オトングラスを体験する人たち=(c)KIOKU Keizo、協力・金沢21世紀美術館、オトングラス提供

全盲記者も期待 5月3日までクラウドファンディング

 簡単な操作で文字を読み上げる眼鏡型端末「OTON GLASS(オトングラス)」を開発・販売する株式会社オトングラス(東京都港区)が、端末をより多くの視覚障害者に届けたいと、1000万円を目標にクラウドファンディングを実施している。20日午後10時現在、276万円に到達。財団や企業などからの大口の寄付も呼びかけている。締め切りは5月3日。

 オトングラスは、端末に内蔵したカメラで撮影した文字を、文字認識技術でテキストデータにし音声に変換する。眼鏡のように装着して読みたい文字の方向に顔を向け、つるの部分のボタンを押せば、読み上げてくれる仕組みだ。

株式会社オトングラス代表取締役の島影圭佑さん=(c)HAJIME Kato、オトングラス提供

 開発のきっかけは、2012年、同社代表取締役の島影圭佑さん(26)の父が脳梗塞(こうそく)を発症し、失読症になったことだった。父の生活に役立てようと、13年から試作をスタート。端末は、関西弁の「父=おとん」と音声の「音」をかけて「オトングラス」と名付けた。その後、父の読む力はリハビリで回復して「オトングラス」を必要としなくなったが、試作段階で出会った多くの視覚障害者のニーズに応じたいと、開発は継続。これまでにも受注生産で10台程度販売したという。

 とはいえ、開発に費用がかかるため、販売価格が高額になることが普及のネックとなっている。そこで、より多くの視覚障害者に「オトングラス」を手に取ってもらえるようにと、クラウドファンディングに踏み切ることにした。

 集まった資金で、現在開発中の新バージョンを製造し、視覚障害者に貸与・配布する。1000万円が集まれば、50人に届けられるという。この人たちに日常生活で利用してもらうことで実用性を立証し、自治体から福祉機器の認定を受けることも目指す。認定され、利用者が低価格で購入できるようになれば、広範囲への普及が可能になり、将来的に失読症の人や視力の低下した高齢者らへの恩恵も期待できる。

オトングラスの試作3号機。クラウドファンディングによって提供されるのは次代モデルになる=(c)KIOKU Keizo、協力・金沢21世紀美術館、オトングラス提供

 全盲で、自身もオトングラスを使用した毎日新聞ユニバーサロンの岩下恭士記者は、白杖(はくじょう)や盲導犬で片手がふさがっていることの多い視覚障害者にとって、使い勝手が良いことを指摘。「従来、ヘルパーに(何があるのか)教えてもらうのを待つ受け身の姿勢だった目の見えない人が、自分で散歩して見つけたものを他の人に教えられるようになるかもしれない」と、楽しみが広がる希望を持っている。

 寄付額に応じ、オリジナルステッカーやイベントへの招待などの特典がある。詳細はクラウドファンディングのサイト(https://camp-fire.jp/projects/view/25370)で。オトングラスは、日本点字図書館(東京都新宿区高田馬場)や日本盲人会連合(同区西早稲田)、神戸アイセンター(神戸市中央区)に常設されており、使用体験できる。【岡本同世】

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