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社説

新しい環境基本計画 SDGsの出遅れ挽回を

 国の環境政策の指針となる環境基本計画が決定された。6年ぶりの改定で、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs=エスディージーズ)と地球温暖化対策の「パリ協定」に的確に対応することを打ち出した。

     二つの国際合意に基づき、世界は持続可能な脱炭素社会の構築に向けて動き出している。新計画がその流れを踏まえた点は評価できる。

     日本はSDGsや脱炭素化の取り組みで、世界の潮流に乗っているとは言い難い。新計画を、出遅れ挽回につなげる踏み台としてほしい。

     SDGsは、2015年に採択された世界共通の目標だ。先進国、途上国を問わず「誰一人取り残さない」社会の実現を目指している。

     貧困や飢餓の撲滅、温暖化対策など17分野で世界が解決すべき目標を示している。経済、社会、環境の三つの側面から、総合的に達成を目指しているのも特徴である。

     新計画はSDGsにならい、地域や経済、技術など分野横断的に六つの重点戦略を設定した。

     このうち「地域」では「地域循環共生圏」という考え方を掲げた。

     農山漁村などで再生可能エネルギーの地産地消を進め、温暖化対策や雇用拡大につなげる。自然を守りつつエコツーリズムなどで活用し、近隣の都市部の住民にもメリットをもたらすという。

     経済では環境や社会貢献に配慮した投資や、環境に配慮した税制を推進するとした。

     SDGsは企業の指針にもなっている。新計画が掲げる重点戦略は、ビジネスチャンスにもつながる。

     ドイツの財団などが昨年発表したSDGsの達成状況で日本は、温暖化対策が4段階の最低評価、再生エネ導入が下から2段階目と、環境・エネルギー分野で遅れが目立つ。

     温暖化対策では、温室効果ガスの排出量取引や炭素税などの導入に前向きな環境省と、反対する経済産業省の対立が続いている。

     各国はパリ協定に基づき、温暖化対策の長期戦略を策定することになっている。国内の策定作業が遅れているのも、この対立のためだ。

     環境への配慮を欠いた経済成長など、もはやあり得ないことを大前提に、政府一体となった施策づくりが、今こそ求められている。

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