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井波律子・評 『モスクワの誤解』=シモーヌ・ド・ボーヴォワール著

 (人文書院・2376円)

老いの不安を鮮烈に表現

 本書は思想・文学等々、幅広い分野で数々の名作を著した、フランスのシモーヌ・ド・ボーヴォワール(一九〇八-一九八六)が、一九六六-六七年に執筆した中編小説である。しかし、長らく活字化されることなく、著者の死の六年後の一九九二年、リール第3大学の研究誌に初めて掲載され、さらに歳月を経た二〇一三年、ようやくレルヌ社から単行本として刊行された。その日本語訳である本書は、著者の執筆の時点からすでに半世紀が経過しているにもかかわらず、この隠れた佳作の、時を超えた魅力をみずみずしく再現している。

 ボーヴォワールはパートナーのサルトルとともに、一九六二年から六六年にかけ数度にわたってソ連に滞在し…

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