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社説

平行線たどったG20 保護主義への反応が鈍い

 主要国が反保護主義で結束できなければ、世界経済を混乱させ、ひいては自国の景気にも跳ね返ってくるのではないか。

     日米欧と中国など主要20カ国・地域(G20)の財務相らが世界経済の課題を話し合う会議を開いた。定期的な会議だが、激しくなる米中の貿易摩擦を巡って、どこまで踏み込んだ議論ができるかが焦点だった。

     だが浮き彫りになったのはG20の求心力が一段と低下したことだ。

     米国は中国製鉄鋼などの輸入制限に続き、6月にも大規模な対中制裁関税を発動するかを決める。G20では日欧などが米国の保護主義に懸念を示した。これに対し、米国は正当性を強調し、平行線をたどった。

     共同声明も見送った。1カ月前、米中を念頭に対話を促す声明を発表しており、日が浅いという理由だ。

     ただ1カ月前よりも事態は深刻化している。改めて自制を求める声明をまとめるべきではなかったか。

     過去に出した声明は、トランプ米政権が発足してから反保護主義の姿勢が後退している。そのうえ米中の摩擦に有効な対策を打てなければG20の存在意義が問われる。

     最も責任が重いのは米国だ。

     中国の過剰な鉄鋼生産を巡っては日欧も批判し、以前からG20で議論してきた。G20の合意に基づき、日米欧が中国に是正を促す閣僚級協議も発足させている。米国は国際ルール違反の疑いがある輸入制限ではなく、G20を活用するのが筋だ。

     中国の対応も問題だ。今回のG20では米国を批判したが、鉄鋼などの問題の震源地だ。対策に取り組む姿勢を明確に示してほしかった。

     日本は米国に代わって議論をリードする立場にある。麻生太郎財務相は米国に対し、輸入制限の対象から日本を除外するよう要請した。本来は撤回を働きかけるべきだった。

     G20は先進国と新興国が協調を図る場であり、リーマン・ショックも乗り切った。米中のように価値観の異なる国の集まりでもあり、今回の議長国アルゼンチンは意見集約に限界があると釈明したが、世界を安定成長に導く役割は変わらない。

     米中の摩擦は長期化も予想され、G20として保護主義の阻止に粘り強く取り組む必要がある。来年の議長国である日本の責任も重い。

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