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インタビュー・最前線

箕面ビール・大下香緒里社長 無ろ過、鮮度こだわり 季節限定品も人気

箕面ビールの大下香緒里社長=大阪府箕面市で、山崎一輝撮影

 クラフトビール市場が活況を見せる中、箕面ビール(大阪府箕面市)が国内外で高い評価を得ている。2009年に黒ビール「スタウト」が英国の世界的な品評会で金賞を受賞。本社に併設したパブには、海外からも愛飲家が訪れる。20年以上にわたって理想の味を追い続ける大下香緒里社長(41)に商品のこだわりなどを聞いた。【聞き手・小坂剛志、写真・山崎一輝】

     --コンビニやスーパーでもクラフトビールが買える時代になりました。

     ◆箕面ビールが目指しているのは、お土産ではなく、日常的に飲まれるビールです。若者の酒離れを指摘する人もいますが、私はそうは思いません。銘柄を指定して飲む人が増え、お酒を楽しむ文化は多様化しています。箕面ビールは酵母をろ過せず、できたての味を楽しんでもらっています。そのために賞味期限は短いですが、飲んでくれる人と顔の見える距離で商品をつくっていきたいですね。

     --ビール造りを始めて20年を超えました。

     ◆酒屋をしていた父が1997年に始めました。当時は地ビールブーム。逆に酒屋は量販店の安売り攻勢で厳しい時代でした。そこで、海外から設備や濃縮麦汁を輸入して事業を始めました。ところがブームは下火になり、一時は売り上げが3分の1(97年度比)まで落ちました。どう生き残るのか。2002年には設備を入れ替え、厳選した麦芽から造るように変えました。約2500万円かかりましたが「いいものを造らないと売れない」という思いでした。工場直送の味を知ってもらおうと、07年には土佐堀(大阪市西区)に直営店を開きましたが1年目は赤字。口コミで広まり、2年目からようやく客足が伸び始めました。

     --09年には「スタウト」が英国のワールド・ビア・アワード(WBA)で金賞に輝きました。

     ◆海外の品評会に出品するのは初めてでしたが、長いビールの歴史を持つ英国の審査員がどういう評価をしてくれるかに興味がありました。スタウトはクリーミーさやドライなのどごしにこだわりました。味のバランスのよさが審査員の評価につながったようです。

     スタウトのほかにも、定番エール「ペールエール」や、アルコール度数9%のストロングエール「W-IPA」が国内外の品評会で高い評価を得ています。ラガーの「ピルスナー」、フルーティーな「ヴァイツェン」も定番商品です。夏には和歌山県の白桃を使った「桃ヴァイツェン」、冬には地元・箕面産のユズを使った「ゆずホ和イト」と季節限定ビールも人気です。

     クラフトビールが定着し、工場はフル稼働で生産しています。ビールは生もの。海外などに手を広げすぎると、品質管理が難しくなります。できたてのビールを届けられる範囲で、事業を続けていきたいですね。

    6月16、17日に「感謝祭」

     天然記念物「箕面の猿」のイラストを一部商品のラベルに使うなど、地域おこしにも一役買っている。箕面市はふるさと寄付金の謝礼品に箕面ビールを採用。小学3~6年を対象にした地域学習副読本でも、同社の取り組みが紹介されている。地元自治会と協力して「箕面ビール感謝祭」を開いており、今年は6月16、17日に西脇公園(箕面市稲2)で開催。昨年は2日間で約6000人が訪れたという。詳細はホームページ(http://www.minoh-beer.jp)。


    社名   株式会社箕面ビール

    所在地  大阪府箕面市牧落3の14の18

    創立   1996年(前身のエイ.ジェイ.アイ.ビア有限会社が創立、2014年に製造と販売を分社化し、販売会社として設立)

    資本金  1500万円

    売上高  4億8000万円(2017年度)

    従業員数 26人(4月現在)


     ■人物略歴

    おおした・かおり

     1976年、大阪府生まれ。97年、東大阪大短期大学部卒。在学中からビール醸造に携わり、2012年に亡くなった父正司さんの跡を継ぎ、前身会社の社長に就任。

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