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遊戯三昧

コーチ助言、変わる選手=杉山愛

 <遊戯三昧(ゆげざんまい)>

     テニスの試合中にコーチがコートへ下りてきて、選手とベンチで話し合う場面がテレビ中継で映し出される。これは女子ツアーで認められている「オンコート・コーチング」という制度。コーチにつけられたマイクで視聴者はそのやりとりを聞くことができ、何を考えながら選手とコーチが戦っているのかを垣間見られるのは興味深い。

     オンコート・コーチングは4大大会や男子ツアーでは認められていないが、女子ツアーでは試験導入を経て2009年から採用された。導入時は選手間でも賛否両論あったが、賛成が多く「どうしたらテニスが面白くなるか」などエンターテインメント性も重視された。

     選手は試合に入り込むと自らを客観視できなくなるため、立て直しがきかなくなると外からヒントを得たい時がある。私も現役の時は作戦がうまくいかなくなると、コーチである母を呼んでいた。それにより集中できるようになってリズムをつかみ、勝利できたこともあった。試合の流れががらっと変わることもあるのが面白い。

     ただ、激しく言い合うケースもある。イライラしていると何を言われても聞き入れられず、「何言ってんの」みたいな反応をしてしまう選手もいる。感情をコントロールできずにコーチにぶつけたり、頭の中が整理できずに余計にイライラしてしまったり。コーチと普段からしっかりコミュニケーションを取れていることが大切で、オンコート・コーチングでのやりとりは選手の調子を見るバロメーターにもなる。

     3月に4大大会に次ぐ規模のBNPパリバ・オープンでツアー初優勝を飾った大坂なおみ選手も、サーシャ・バイン・コーチの前向きな助言が良い方向に向かわせていた。大坂選手は完璧さを求めるがゆえに自分自身を責めすぎて負の連鎖に入ることもあったが、信頼するコーチの「今のでいいよ」「これ以上ないほどいいプレーをしている」という言葉が支えになっていた。

     テニスは精神面が大きく左右するスポーツ。試合中のコーチの助言で選手がどう変わるのか、テレビで見る機会があれば、ぜひ注目してほしい。(元プロテニスプレーヤー)

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