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若者のクルマ離れは「安価で面白いクルマ」がないからなのか?

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そもそもクルマを所有するコストが高すぎる

「若者のクルマ離れ」というフレーズを耳にすることは多い。まずファクトとして、運転免許の保有者を見てみよう。2017年の統計データ(警察庁)によれば、20~24歳の運転免許保有者数は473万9775人。その世代の人口が約624万人であるから運転免許の保有者比率は約76%となる。 

 ちなみに、50~54歳の人口は約820万人で運転免許保有者は約762万人、保有者の比率は約93%と明らかに違いがある。若年層の人口が減っているだけでなく、運転免許の保有率も落ちているのだ。日本全体としての運転免許保有者数は2017年時点で8225万5195人と過去最高を更新しているが、将来的に減少していくであろう傾向が見て取れる。なお、男女比もわかる統計のスタートといえる1969年の運転免許保有者は2478万2107人だった。

 前置きが長くなったが、とにかく運転免許を取得する若者は絶対数、比率ともに減っている。クルマを買うか買わないかという話以前に、運転する必要性がないと判断している人々が増えているといえる。それは、まさしく「クルマ離れ」といえる状態だ。その理由としては、運転免許を取得するためのコストが30万円前後と高いこと、さらに20台の若者には、新車を購入できるだけの収入がある人は少ないことが挙げられる。

 また、仮に手ごろな価格の中古車を買ったとしても駐車場や保険といった維持費を考えると、クルマを所有することに躊躇してしまうのは当然といえる。

 もちろん、クルマがなければ移動もままならないという地域では交通機関としてマイカーの価値が高いことは事実である。人口が都市部に集中していることが、クルマを利用する必要性が下がっている原因といえよう。

 そういった背景を考えると、仮に「運転が楽しいクルマ」、「生活が豊かになるクルマ」、「新しい提案のある面白いクルマ」があったとしても、そうそう簡単に運転免許の取得率が上がったり、クルマが売れるようになったりはしないだろう。すでに都市部では交通手段としてのプライオリティは下がっているであろうから。

 たしかにクルマは単なる道具ではなく、趣味性や文化的な背景がある。しかし、大多数は交通手段としてマイカーの価値を見出すわけで、趣味性の部分で“おもしろい”クルマが増えたからといって、すぐさま新車が売れるようになるとは考えにくい。

 もっとも、完全自動運転に向けて進んでいるAI(人工知能)の開発において、クルマを動かすという機能だけでなく、利用者ごとにパーソナライズされたサービスを提供できるようになればクルマの利用者は増えるかもしれない。また、移動中のパーソナルスペースを確保しておきたいユーザーにも、クルマという区切られた移動手段は評価されるであろう。

 一方で、クルマが欲しいという思いを子どものころから抱いていれば、クルマを所有することに経済合理性がなくともクルマを買おう、クルマが欲しいというモチベーションとなる。まだクルマ離れというマインドがない小さな子どもたちが「おもしろい!」と思うようなクルマが多くあって、憧れの存在となれば、将来のトレンドが変わる可能性もある。『三つ子の魂百まで』というが、子どもたちが憧れを抱くような「面白いクルマ」が増え、状況は変わることを期待したい。

 もっとも、日本のロードマップでいえば2025年頃に実現を目指している完全自動運転の時代になれば、よほどの富裕層を除いて、クルマを所有するという発想はなくなり、シェアリングによってクルマを利用することになるだろう。

 【詳しくはこちら】
警察庁:運転免許統計

https://www.npa.go.jp/toukei/menkyo/index.htm


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