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たしなみの文化考

/12 イラストレーター・成瀬國晴さんのバレエ・ストレッチ

 <くらしナビ・カルチャー>

    プリマ気分で伸びやかに 仲間といたわり交わり 体幹強化、ゴルフも上達

     関西を代表するイラストレーターの一人、成瀬國晴さん(82)が、「エイジレスバレエ・ストレッチ」を始めて3年目。加齢による筋肉や活動意欲の衰え、食欲不振などを改善するため、クラシックバレエとストレッチを組み合わせた運動だ。

     ぽかぽか陽気が続く先月中旬の夕方、大阪天満宮(大阪市北区天神橋2)の境内にある梅香学院で待ち合わせた。それにしても、SPとおぼしき黒服姿が目につくし人だかりもできている。いったい何が?

     「天神橋筋商店街でコロッケを買ったらしい」「国会で忙しいこの時期に大阪に来るというのは……」。やがて、安倍晋三首相の一行が天満宮に。この日午後に大阪入りし企業視察や党員らとの懇談が夜まで続きその間に参拝に訪れたらしい。

     成瀬さんは「印象に残る日になるね」と言いながらジャージーに着替えた。毎週1回、自身のアトリエから15分ほど歩いた教室で、午後5時15分から1時間汗を流す。この日の仲間は40~80歳代の10人。日本舞踊家の西川梅十三(うめとみ)さん(80)の姿もある。

     「相変わらずお元気そうで」「関節の痛みはどないですか」。仲間同士でいたわりの会話が行き交い、室内は和やかな雰囲気だ。成瀬さんは「大人の会話をはさむ一種の社交の場にもなっている。年に数回は仲間と鍋を囲むこともある」と語る。

     中高齢者専用の特別プログラムを医師の監修の下で作ったのが「日本エイジレスバレエ・ストレッチ協会」(※)の代表理事で講師も務める田仲智子さん。「クラシックバレエの基本であるまっすぐに立つ姿勢を保つ練習が筋肉の維持や体幹の強化に効果的なことに着目しました。そこに呼吸法や体重移動などのバランス運動なども加えて構成しています」と説明してくれた。

    「はい、腕を伸ばしながら息をゆーっくり吸って。今度はひざを曲げながら息をはいて」。「いいですよ、成瀬さん。足首は柔らかく……」。クラシック音楽が流れるなか、田仲さんは参加者各人の体調に沿うようにプログラムを進めていく。

     成瀬さんは「知人に紹介されたときはバレエという響きに気後れしたが今は何を置いても通っている。出席率も一番です」。始めてから快調ぶりを実感することが多いという。「背中の丸みが改善してきたし、半世紀になるゴルフも飛距離が着実に伸びた」と満足げだ。

     5年に1回ほど開く作曲家、キダ・タローさん(87)、作家、難波利三さん(81)、作詞家、もず唱平さん(79)らとのコンペで上位入賞に意欲を燃やす。【有本忠浩】=次回は6月5日掲載

    60年超の画歴 ファッションもコテコテも

     成瀬さんは大阪・難波の生まれ育ち。中学1年の時、手塚治虫にあこがれ画家を志すがファッションイラストの道に転身した。雑誌『それいゆ』の表紙画を描いていた中原淳一に影響された。「何てモダンでステキな女性を描くんだと感心した」。長沢節門下のイラストレーター、明石正義さんに師事しながら腕を磨いた。

     成瀬さんの活躍に興味を示したのが、テレビ番組「11PM」で司会をしていた作家、藤本義一。アトリエには「1969年9月16日 33歳」と記された2人の写真があった。「亡くなる(2012年10月)まで40年以上の付き合い。兄貴のような存在。上方の芸能、文化、風俗に身を浸すように説かれたことが現場を大切にする理由だ」。葬儀委員長を務めたことが何より間柄を物語る。

     イラストレーターとして60年以上の足跡があり14年には1カ月間、画歴を振り返る個展を開いた。シリーズ作品は、ファッション▽阪神タイガース・プロ野球▽上方落語・漫才▽天神祭▽大相撲▽報道画--など幅広い。

     8月8日から3週間、滋賀県愛荘町の町立愛知川図書館で学童集団疎開の様子を作品にした「時空の旅」展を開催予定。


     ※「日本エイジレスバレエ・ストレッチ協会」は堺市などにも教室がある。レッスンは有料。講演・出版、認定講師育成などの事業も実施。

     詳細は協会のホームページ(http://j-abs.jp)または電話(06・7502・9785)へ。


     ■人物略歴

    なるせ・くにはる

     1936年生まれ。イラストレーターの他、番組司会、コメンテーターなどの顔も持つ。上方お笑い大賞審査員特別賞(95年)、日本漫画家協会賞文部科学大臣賞(2008年)受賞。近年の作品集に『アナログ時代のテレビ絵史』(たる出版)など。宝塚大学造形芸術学部講師。

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