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ブックウオッチング

『きょうの料理』 草場道子・編集長

「日本の食の伝統を大事にしながら新たな料理を提案していきたい」と話す草場道子編集長=八木正撮影

 (NHK出版・毎月21日発行、545円)

    家庭の味で食卓を笑顔に

     NHKの長寿番組「きょうの料理」のテキストが今春、創刊60年を迎えた。定番のおかずから保存食や菓子までバラエティーに富んだ料理を紹介。草場道子編集長は「食は体と心の糧。番組とテキストを参考にそれぞれの家庭の味をつくってもらえれば」と話す。【明珍美紀】

     番組の放送開始(1957年11月)から半年後に第1号のテキストが誕生した。当時は高度経済成長期。白黒テレビや洗濯機とともに冷蔵庫が家電の「三種の神器」と言われた。台所をめぐる風景が変わる中で「今晩のおかずは何にしよう」と悩む声に応えたのが「きょうの料理」だ。初回の講師で栄養士の近藤とし子さんは「栄養改善のために」と揚げ物や炒め物など油を使った料理を提案した。料理研究家の飯田深雪さんや帝国ホテルの料理長だった村上信夫さんは家庭料理に洋風の献立を取り入れる流れをつくった。

     草場さんは入社2年後の94年から3年間、「きょうの料理」の編集部に配属された。印象に残る講師は小林カツ代さん。例えば枝豆。少量の水と塩を入れ、強火で蒸しゆでにして煮立ったら上下を返す。「常識を覆すやり方に驚いたが確かに豆の甘みが生きる。小林さんは料理のツボが直感的に分かっていた」。掲載する料理は自分でもつくり、中華料理店のオーナーシェフ、陳建一さんの四川風の「マーボー豆腐」は「夫の大好物」という。

     2000年代に入ると共働き世帯の増加を背景に、手間をかけないメニューやつくりおきができる料理が目立つように。この間、他の番組のテキストなどを担当していた草場さんは「きょうの料理」に戻って編集長に就任した。60年という節目が目前に迫り「読者への感謝の気持ちを込めたい」との思いから、リクエストの多かった料理の掲載や料理家愛用のキッチングッズのプレゼントを実施。オーガニックの食材を用いた料理教室を主宰する料理研究家、白崎裕子さんの連載をスタートさせるなど新企画を続々と打ち出している。5月号では創刊60年の特集に加え、創刊号の表紙を復刻して作製したノートを付録にした。

     「これからも食卓が笑顔で満ちるような家庭料理の楽しさを伝えていきたい」と草場さんは語る。


     ★きょうの料理5月号(4月21日発売)

     テキスト創刊60年特集では誌面の変遷をたどる「テキストの歩み&トリビア選」などを掲載。番組との連動企画として創刊号で紹介された、なつかしの料理も誌上で再現している。


     BOOK WATCHINGは毎月第1水曜日掲載。次回は6月6日です


     ■人物略歴

    くさば・みちこ

     1969年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学文学部卒。92年にNHK出版入社。営業部門や「きょうの料理」「おしゃれ工房」編集部などを経て2016年7月から現職。趣味はお菓子づくりとチェロ。

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