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踏み跡にたたずんで

港のそばの小学校で=小野正嗣

 詩人に会う約束をした。

 指定された場所は、港からさほど遠くない小学校だった。たぶん詩人がかつて勤務していたところだろう。

 そう思うのは、彼女の詩の語り手が海のそばの小さな町に暮らし、かつては小学校の教師として働いていたことが読み取れるからだ。

 フランス語で書かれたその詩のなかでは、カモメはもはやどこにもいないのに、ただ鳴き声だけが、まるで曇天のときには空を苦しめる耳鳴りのように、そして快晴の日には空の空耳(日本語に訳してみると変だけど)のように、港を訪れる元教師の上に降り続ける。

 漁業を除けば大きな産業がないので、男たちの多くはよその土地に、ときには外国にまで働きに出かける。町…

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