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余録

「党」が徒党や私党のことだった明治の初め…

 「党」が徒党や私党のことだった明治の初め、小紙の前身「東京日日新聞」は社説で政党の意義を説いた。党派抗争は「一国の禍乱(からん)」を招くとの当時の常識に対し、政党間の相互作用こそが禍乱を防ぐと述べた▲筆者は当時の主筆・福地源一郎(ふくち・げんいちろう)で、英国の議会政治では守旧の党と進歩の党がお互いの暴走を抑えあって政治を安定させてきたと説明している。逆に禍乱は1党が全権を独占し、政党間の「権衡(けんこう)」が失われた時に生じると論じたのだ▲議会政治を知らない当時の人にはよくのみ込めない話だったろう。だが今の日本人にしても、そんな政党政治の「権衡」をうまく使いこなせているわけではない。国民の信を失いつつある1強政権を前にしての多弱野党の混迷である▲民進党と希望の党が合流して国民民主党が結党されたという。だが不参加者続出のニュースばかりが聞こえ新党誕生の熱気からはほど遠い。そもそも衆院の野党第1党をめざしての合流だったが、おかげでその目標も果たせなかった▲明治の新聞人は政党政治の妙が、対抗する党派のダイナミックな相互作用で政治社会を発展させるところにあるのを見抜いた。残念ながら約140年後の野党の人士は、そのダイナミックな力を見失って迷路に入り込んだようである▲政治不信が鬱屈(うっくつ)する今をおいて政党政治の存在理由を示す時はあるまい。「1強多弱」に封じ込められた構想力や意志、アイデアを今すぐ解き放って「権衡」を取り戻してもらいたい平成末の政党人である。

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