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福祉車両

市場に注力 メーカー、新型続々 進む高齢化

車いすのまま乗れる主な福祉車両

 車いすの乗り降りなどに対応した福祉車両の販売てこ入れに、自動車各社が乗り出している。軽自動車税増税や新型車不在の影響で近年は販売低迷が続いていたが、高齢化の進展で長期的な市場拡大が見込めるだけに、新型車両投入で巻き返しに懸命だ。【竹地広憲】

     福祉車両は軽自動車税の減免があるものの、2015年4月の軽自動車税増税前に「知らずに駆け込みで購入する人が増えた」(軽自動車メーカー)結果、反動で15年度以降販売が低迷した。17年度は軽自動車が3年ぶりに増加に転じたものの、市場のほぼ半数を占める普通・小型車で目立った新型車が無かったことが響き、福祉車両市場全体の販売台数は前年度比2・2%減の4万3494台と3年連続で前年を下回った。

     巻き返しを図るため各社が力を入れているのが、使い勝手の改善と安全性の向上だ。

     ホンダは4月20日、人気の軽乗用車「N-BOX」シリーズに、後部ドアから車いすで乗り込めるスロープ付きの新型モデルを追加した。乗り入れ前に折りたたむ後部座席を、ヘッドレストを着脱しないで収納できるようにするなど、乗り降りの準備の作業工程を従来モデルの半数以下に減らした。

     一方で一般車と同様に自動ブレーキなどの最新の安全技術を標準で装備する。開発責任者の白土清成氏は「今は車いすで介護が必要な家族がいなくても、将来に備えて購入するケースが増えるだろう」と予測する。

     日産自動車は3月、ミニバン「セレナ」で、ガソリンエンジンで発電して駆動する独自技術「e-POWER」を搭載したハイブリッド車(HV)を発売。同時に、後部ドアから車いすが乗れるタイプも投入した。高速道路の同一車線の走行を自動制御するシステムも搭載し、最新性能を売りにする。

     スズキは2月に室内空間を広く改良した軽乗用車「スペーシア」で、福祉車両を投入した。

     ライバルのダイハツ工業は、昨年11月に衝突回避システムを標準装備して発売した軽乗用車「アトレーワゴン」の福祉車両の販売が好調で、軽自動車メーカー間の競争も激しくなりそうだ。

     大手メーカー各社は「高齢化が進み、市場自体は堅調に推移するとみている。特に車いす対応の車の市場はボリュームも多く、今後、拡大するはずだ」(ホンダ)と期待している。


     ■KeyWord

    福祉車両

     体の不自由な人の乗り降りを助けたり、運転を補助したりする装置が付いた車両。後部ドアからスロープを引き出し車いすのまま乗り込むタイプや、助手席や後部座席が外側に回転して昇降するタイプがある。消費税は非課税で、条件を満たせば自動車税や軽自動車税も減免される。

     国内の65歳以上の人口比率が20年前の16%から28%に上昇する中、日本自動車工業会の調べで、福祉車両の2017年度の販売台数は20年前の約3.5倍に達した。

     販売台数のうち約半数を普通・小型車、3分の1を軽自動車が占め、残りがバスなど。近年は小回りが利いて比較的低価格の軽自動車が存在感を高めている。

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