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@大学 定員管理厳格化で競争激化 2018年私大入試、併願で志願者も増

出題ミスに揺れた大阪大。入学式で西尾章治郎学長が陳謝する事態に=大阪市内で4月3日、平川義之撮影

 私立大の志願者が激増した2018年入試は、近年ではまれに見る厳しい状況となった。今春の高校卒業者は前年より約1万4000人減ったにもかかわらずだ。いったい何があったのか。今年の大学入試を振り返った。

     ●背景に補助金打ち切り基準

     駿台予備学校によると、今年の私立大一般入試の延べ志願者数は365万人前後とみられている。12年連続の増加となるが、その伸びは前年を100とした場合の指数が107に達した。国公立大は46万5708人と同99で、“私大バブル”ともいうべき状況になった。

     私立大の入試戦線に何が起きているのか。駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長は、その要因として、入学定員管理の厳格化に伴う合格者絞り込み▽併願時の受験料割引拡大▽入試方式の複線化・多様化▽文系学部人気--の四つをあげる。

     入学定員管理の厳格化は、大都市部の大学への学生集中を是正するとして、2016年から行われている。収容定員8000人以上の大規模大の場合、これまでは定員の1.2倍以上を入学させると補助金が打ち切られたが、同年春から段階的に厳しくなり、昨年は1.14倍以上、今春は1.1倍以上となり、来春は1.0倍超が定員の超過分に応じて減額される。

     ある私立中高一貫校の校長は今春の入試について、「私立大は本当に厳しかった。今までなら、MARCH(明大、青学大、立大、中大、法大)クラスに『受かるかもしれない』という生徒でも合格していたが、今年は『確実』という生徒しか突破できなかった」と振り返る。

     表を見てほしい。難関私立大の一般入試での合格者数の推移を示したものだが、この3年で軒並み合格者を減らしていることが分かる。

     定員管理厳格化の影響は、ほかにも出ている。「入試の厳しさを反映し、合格者の手続き率がアップしたが、一部の難関大が補欠合格者の繰り上げ合格を3月末まで行ったため、手続き中の合格者が上位大の補欠合格で入学を辞退し、入学者の確定がぎりぎりまでできなかった」と、中堅私立大の副学長はこぼす。

     受験人口が減っているのに、志願者が増えている要因には、同一大で複数学部・学科を併願する場合に受験料を割り引く大学が増え、それを活用して併願を増やす受験生が多くなっていることもある。駿台の石原さんは「インターネットによる出願ができるようになり、併願の手続きが簡単になったことも大きい」と指摘する。さらに、英語の外部試験を用いた入試の導入など、入試方式の複線化、多様化が進んでいることも志願者増の要因といえよう。

     ●文系学部の人気復活

     もう一点、忘れてはならないのが、文系学部の人気復活だ。長引く不況で文系学部の人気は低迷していた。しかし、大学生の就活戦線は、数年前から売り手市場になっている。

     「文系学部出身者の雇用情勢が大きく改善していることから、私立大に多く設置されている経済・経営系学部を中心に幅広く人気が出ている」と説明するのは、大学通信の安田賢治常務だ。ただし、今年入学した学生が就職するのは22年春。安田さんは「20年の東京五輪後は今の景気動向が継続しているか不透明なだけに、安易な学部選びをすると後悔することになる」と注意を促す。

     ●相次いだ出題ミス

     今年の入試では、出題ミスが続発した。昨年入試の大阪大に端を発し、今年は2月から3月にかけて、出題ミスに関する発表が相次いだ。大学通信の安田さんは「分かっているだけでも、国公立、私立を問わず100件以上の出題ミスがあった。受験生の一生を左右しかねないだけに、問題の公開も含め、きちんと対策を講じてほしい」と苦言を呈する。

     今の高校1年生から、現在の大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストが導入される。国語と数学では記述式問題、英語は「読む」「聞く」に加え「書く」「話す」の4技能が重視される。来年の入試について、駿台の石原さんは「入試改革を前に、入試そのものに大きな変化はない」と予想する。

     とはいえ、国公立大の2次試験を中心に改革を先取りした形での記述式問題が増えることなどが予想される。大学通信の安田さんは「早めの準備をしていれば怖いものはない。安易に安全志向に走らず、第1志望を目指してほしい」と話している。【中根正義】


    2016年以降の難関私立大合格者数(一般入試、→は前年比、大学通信調べ)

    大学名    2016年      17年       18年 (16年比)

    早稲田大  17,976 →  15,927 →  14,532(-3,444)

    慶応大    9,252 →   8,978 →   8,817(  -435)

    明治大   24,144 →  22,854 →  21,216(-2,928)

    青山学院大  9,504 →   8,064 →   6,708(-2,796)

    立教大   12,838 →  11,260 →  10,452(-2,386)

    中央大   16,431 →  15,857 →  15,198(-1,233)

    法政大   23,192 →  21,181 →  17,548(-5,644)

    関西大   18,908 →  18,006 →  16,026(-2,882)

    関西学院大 13,718 →  12,342 →   9,882(-3,836)

    同志社大  17,735 →  16,998 →  16,028(-1,707)

    立命館大  31,983 →  28,142 →  24,995(-6,988)

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