政界、混迷深く 主導権争うフジモリ姉弟
南米ペルーでアルベルト・フジモリ元大統領(79)の恩赦をきっかけに起きた「お家騒動」。最大野党「人民勢力党」を率いるアルベルト氏の長女ケイコ氏(42)と、国会議員の次男ケンジ氏(37)の姉弟対立は、弟が「敗北」した格好になっている。一方、恩赦を巡っては、フジモリ政権時代の市民虐殺事件の遺族らが取り消しを要求する。ペルー政界では、歴代大統領を次々に巻き込む汚職疑惑が浮上し、ケイコ氏も関係しているとされる。ケンジ氏は次期大統領選への立候補をあきらめたのか。父アルベルト氏は影響力を維持するのか。フジモリ家の騒動を軸にペルー政治の展望を取材した。【リマで山本太一】
フジモリ姉弟対立のきっかけとされるのは、ケイコ氏にとって2度目の立候補となった2016年大統領選だ…
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