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島っ子、元気いっぱい 返還50年、小笠原諸島・父島 希少動植物の保護、一進一退

タコノキで遊ぶ地元の子供たち。このあと、木の上の方になっていた実を取って「見て見て」と見せてくれた

 都心から南へ約1000キロの小笠原諸島・父島(東京都小笠原村)。本土とおよそ24時間でつなぐ定期船の出港を控えた昼前、二見港西側の大神山公園では、子どもたちが木登りを楽しんでいた。木は小笠原固有種のタコノキ。名の由来となったタコ足のように伸びた根っこに足をかけ「ママ、見て。登れたよ」。一年中茂る葉に負けず、元気いっぱいの“島っ子”たちだ。

    かつて食用として持ち込まれたヤギが野生化し、森林破壊や固有植物の食害などの問題を引き起こしている

     小笠原は今年6月、返還50年の節目を迎える。太平洋戦争末期、島民は本土に強制疎開させられた。米軍統治を経た1968年、帰島が許され、300人足らずの村民から再スタートした。現在、村の人口は2528人(4月1日現在)。返還後に島で育った世代が島の活力を支えており、“島っ子”は次の世代を担う。

    オガサワラノスリ
    オガサワラトカゲ

     人口は2000年以降横ばいだが、高齢化率は東京都内の自治体で一番低い15・1%(今年4月現在)。魅力的な自然を求めて移り住む若い世代が多い。しかし、村内で出産できる体制もなく、「医療面の不安から高齢者が住みにくい町でもある」(村医療課)。医療面の充実は村の大きなテーマとなっている。

    オガサワラハシナガウグイス
    カヤックを楽しむ観光客ら。奥は太平洋戦争で旧日本海軍に徴用され、1944年に空襲で大破し沈没した「浜江丸」の残骸

     定期船が港に停泊した3泊4日の間、父島内を散策すると、オガサワラノスリやハシナガウグイスなど島固有の生き物が迎えてくれた。固有種の動植物にあふれる希少な自然が評価され、11年には世界自然遺産に登録された。自然ガイドを30年以上続ける松原邦雄さん(60)は「登録は今まで以上に自然との共生を考えるきっかけになった」と振り返る。

    太平洋戦争で旧日本軍が兵舎として使用していたと見られる建物。周りには固有種の樹木などが生い茂っていた
    アカガシラカラスバトの生息環境に適した森林の保全・整備を行う「サンクチュアリー」の入り口で、外来植物の種子などを除去するためのスプレーを靴底にかける人たち

     特に印象的だったのは、アカガシラカラスバトとの出合いだ。島の中央部の茂みを歩いていると、頭上で「ガサッ」という音が。ふり返ると、こちらに視線を向けていた。ペットの猫が野生化した「ノネコ」に狙われるなどし、一時は生息数が数十羽にまで減少。環境省レッドリストで「野生での絶滅の危険性が極めて高い」とされる絶滅危惧1A類に指定された。現在は保護活動が奏功し、600羽程度にまで回復。「庭先でも見かけるようになった」という声がある一方で、環境省の現地事務所では「猫も再度増え始め、一進一退。手放しでは喜べない」と話す。「幻の鳥」を守る取り組みは今も続いている。<写真・宮武祐希、文・荒木涼子>(写真は父島で4月17~20日に撮影)

    葉の裏側から見えたトカゲの陰
    枝が揺れる大きな音にふり返ると、アカガシラカラスバトがいた。忍び足で5メートルほどまで近づいても逃げることなく、しばらくこちらの様子をうかがっていた

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