メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

炎のなかへ

/151 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

三月九日(55)

「わかったよ、ミヤさん。登美ちゃんにはちゃんと話をしておく。でも、向こうの返事をもらうのは、自分でやってくれよ」

 タケシが釘(くぎ)を刺すと、ミヤがすねていった。

「なんだよ、ケチだな。そいつは少年飛行兵の試験より難問だろ。いいよ、タケシは渡りをつけてくれるだけで」

 登美子にミヤの話をするだけでも、気がすすまないのに、返事まできくなどまっぴらごめんだった。登美子も傷つくだろう。まだ確信はもてないが、きっと同じ年のいとこは、自分を好いていてくれる。そう思うだけで、身体(からだ)のなかが熱くなってくる。タケシはじっとしていられなくなった。

「先にあがるよ。今日は大汗をかいたから、さっぱりしないと」

この記事は有料記事です。

残り588文字(全文894文字)

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 世界遺産 光のアート、幻想的に 京都・下鴨神社
  2. 宮内庁 永久保存の公文書1冊が所在不明
  3. 浜松 市議がアダルト動画投稿 10万円利益 辞職願提出
  4. 愛知 少女の裸動画を拡散容疑 高校生ら14人書類送検 
  5. 障害者雇用 「なめられた」 国の不正に怒りやあきれ声

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです