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炎のなかへ

/151 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

三月九日(55)

「わかったよ、ミヤさん。登美ちゃんにはちゃんと話をしておく。でも、向こうの返事をもらうのは、自分でやってくれよ」

 タケシが釘(くぎ)を刺すと、ミヤがすねていった。

「なんだよ、ケチだな。そいつは少年飛行兵の試験より難問だろ。いいよ、タケシは渡りをつけてくれるだけで」

 登美子にミヤの話をするだけでも、気がすすまないのに、返事まできくなどまっぴらごめんだった。登美子も傷つくだろう。まだ確信はもてないが、きっと同じ年のいとこは、自分を好いていてくれる。そう思うだけで、身体(からだ)のなかが熱くなってくる。タケシはじっとしていられなくなった。

「先にあがるよ。今日は大汗をかいたから、さっぱりしないと」

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