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社説

6月12日に米朝首脳会談 非核化へ超大国の知恵を

 トランプ米大統領の言葉通り「平和と安定の未来を世界にもたらす会談」になってほしい。

     史上初の米朝首脳会談が6月12日、シンガポールで開かれることが決まった。当初は南北軍事境界線にある板門店での開催が有力だったが、シンガポールの方がより中立的で安全と判断されたようだ。

     トランプ氏は来月8、9日にカナダで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議で日本や欧州諸国と意見交換し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談に臨むことになる。

     北朝鮮非核化を焦点とする首脳会談は東アジアの安全に大きな影響を与える。トランプ政権としては、成功させて秋の中間選挙で与党・共和党への追い風にしたい。ノーベル平和賞もありうる、と考えていよう。

     だが、成否は予断を許さない。米側はトランプ氏が再選に挑む2020年の大統領選までに完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄(CVID)を目指し、北朝鮮核技術者の海外移住も視野に入れているという。

     短期間の一括廃棄(リビア方式)に重点を置く米側に対し、北朝鮮は段階的な核廃棄を主張する見通しだ。北朝鮮は確実な体制保証に加え、在韓米軍の撤退や米国の核戦力削減を議題にして協議の拡散と長期化を図ることも予想される。

     トランプ氏は会談について「大成功を収めるだろう」と楽観的だ。ポンペオ国務長官の訪朝に合わせて、北朝鮮は拘束していた3人の米国人を解放した。これも米朝会談に向けて明るい雰囲気を醸している。

     だが、金氏に謝意を表明したトランプ氏に対し、もともと拘束されるいわれのない米国人の解放に礼を言うのはおかしいとの声もある。一時は金氏を「ちびのロケットマン」と呼んだトランプ氏の変わりようを指摘して、「前のめり」の姿勢に警戒感を覚える人も少なくない。

     日本人拉致問題も含めて実り多い首脳会談になってほしいが、米国は常に北朝鮮に裏切られてきた。融和ムードに流され、たとえ華々しい演出で「非核化」の合意を結んでも、実は抜け穴だらけというのでは、将来に重大な禍根を残す。

     米朝会談まで1カ月。北朝鮮の核を確実に廃棄するために米国は超大国の知恵を結集してほしい。

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