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学校と私

感性磨かれた小学生時代=俳優・斎藤工さん

斎藤工(さいとう・たくみ)さん

 昨年、マダガスカルとパラグアイを訪れ、田舎町の子どもたちに出会いました。小さな子どもたちが片道40分以上歩いて学校へ通います。数日一緒に通ったんですが、自然が信じられないぐらい美しく、夜は星が街灯のように照らしていました。その景色がもたらす価値を考えると、羨ましいと思いました。そして小学生の時に受けたシュタイナー教育を思い出しました。

 授業のノートはテストや受験のためのメモではなく、色彩豊かな美しい芸術作品でした。小さな家を作ったりお米を栽培したりする過程で、個々が何を感じるかも大切にされました。詩を作り、それにまつわる絵を描いたりもしました。シュタイナーが感性を育むものだということは後に公立校へ転校して気付くのですが、当時は感覚がひらいていたピークだったと思います。

 シュタイナーと今の仕事をどうしても結び付けてしまうし、実際に結び付いていると思うんですが、公立だけに通っていたら、違った自分になっていたかというとそうとも言えない。単純に説明できるものではないんです。

 シュタイナーは7年制なので、6年生の時に公立校へ転校し、違いを感じました。美術の時間、僕は思ったまま、暑かったから空を赤く描きました。でも、友人は輪郭から描き同じ色を使っていました。その時「このシステムではやっていけないな」と思ったんです。それからは反発することもなく、自分で勝手に譲歩し、気付いたら公立のシステムに染まっていました。

 クラスは社会の縮小版だと思います。苦手な人、好きな人、いろんな人がいる。そこには処世術のヒントがあると思います。ただ諦めるわけではなく、折り合いのつけ方やかわし方を身につけ、その方法を社会に出て強化したら、基本姿勢になると思います。

 僕は積極的に輪を紡ぐタイプではなく、クラスメートを観察していました。今でも役作りをする時、クラスメートの中で大体そろってしまうんです。自分はこのセリフは言えないけど「あいつだったら」と想像するとひもとけます。学校を単に大人へ旅立つ場所だと考えているかもしれませんが、実は宝物がいっぱい落ちています。【聞き手・金秀蓮、写真・根岸基弘】


 ■人物略歴

 1981年東京都生まれ。高校時代からモデルとして活動し、2001年に俳優デビュー。映画監督としても活躍する。18日公開の「蚤(のみ)とり侍」で寺子屋の先生役を演じている。

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