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蔵書拝見

斎藤健氏/上 「ギリシア人の物語3 新しき力」 古代の指導者、手本に

 30年近く付き合いのある作家の塩野七生さんが、わざわざサインして送ってきてくれたのがこれ(「ギリシア人の物語3 新しき力」)。おととしの11月か12月に塩野さんと東京で飲んだ時に「3巻はいよいよアレクサンドロスを書く。長編はこれで最後」と聞かされた。塩野さんの思いがこもった最後の一冊だ。

 この本を通じて知りたかったのは、若くしてリーダーになった人が、いかにして死ぬかもしれない遠征に兵士を従わせ、かつ先王に仕えた経験豊富なベテランを率いたのかということ。一つは適切なタイミングで胸を打つ演説をする能力と、どんな戦闘でも真っ先に突っ込むスタイルだと描かれている。捕虜の尋問を自分でやったという部分は、大臣として「これが大事」と思ったら直接話を聞くことにつながるのかもしれない。

 彼女が書くのは歴史ではなく人間。だから「ギリシア物語」ではなく「ギリシア人の物語」となる。そのまま…

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