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サッカーマインド

技術革新と向き合う=小川佳実

 現代サッカーの起源の一つと言われる英国において、その源流は戦争で奪った敵の首を蹴ったり、町と町の争いだったりと野蛮なものであった。やがて学校教育として取り入れられ、共通ルール作りが始まったのが19世紀前半。手の使用を制限する団体と、許可する団体に分かれたのが現在のサッカーとラグビーだ。

     サッカーは1863年にロンドンで最初の競技規則が誕生し、その後イングランド、アイルランドなど各協会ごとに違ったルールを調整する機関として1886年に国際サッカー評議会(IFAB)が設立された。現在は年1回の総会でルール改正などが議論される。

     最初のルールにはレフェリー(主審)という存在はなかった。当時は双方のチームから1人ずつ任命されたアンパイア(現在の副審)が、得点の取り消しや事実に関する判定をしていたが、競技性が高まるにつれて中立の立場の人間が必要となり、仲裁人として依頼された人がレフェリーとなった。ルール自体も時代の流れに合わせて変わっていく。2017~18年の改正でビデオアシスタントレフェリー(VAR)が認められたのはサッカーの歴史上、最も大きな変化と言っていい。IFABの会議で最初に議題に挙げられた時は誰もが否定的だったが、時代の要請を受けてすごいスピードでルール化された。

     さらに、従来は禁止されていたベンチ周辺のテクニカルエリア内で通信機器利用も許可される。理由は「技術が進歩する中で通信は止められないから」。以前は試合中にデータなどを監督らに伝えられるのはハーフタイムだけだったが、それがリアルタイムで可能になる。退席になった監督がスタンドからテクニカルエリアに指示を送ることもできる。通信が許されるのは▽コーチング▽戦術的な指示▽選手の安全を確保するための三つで、ワールドカップ・ロシア大会でも適用される。では、それ以外の目的の通信と区別できるのか。そこには自らルールを守るという「サッカーの精神」が必要となる。

     ルールは保守的であり、かつ変化する。これからは技術の進歩にどうポジティブに対応していくかもより問われていくことになるだろう。(日本サッカー協会審判委員長)

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