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スマホっ子の風景 竹内先生の新教育論 「出会い」のきっかけ、ネットから

え・堀内まりえ

 ◆「かえって安心」 危機感薄く

    女子高生、7割肯定

     昨年秋、神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかる事件がありました。「ネットに『死にたい』と書いた若者が狙われた」と報道されました。今回はネットでの出会いについて書いてみます。

     ネット上で子どもたちはさまざまな出会いを経験します。昨年7月の「大阪スマホサミット」(大阪府主催)で実施されたアンケートでは、ネットを日常的に使用している子どもたちのうち、ネットで知り合った友達がいる割合は小学校高学年女子24%、中学生女子46%、高校生女子63%。これはこれで驚きましたが、前回も紹介した情報セキュリティー関連企業「デジタルアーツ」の「第11回未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」(2018年)の中で、新たに注目すべきデータが目に留まりました。

    ネット上での友達に「会いたい」「会ったことがある」と答えた割合

     ネットで知り合った友達がいる子のうち、その友達に「会いたい」または「会ったことがある」と答えた女子の割合です。左のグラフは、そのデータを基に私がまとめたものです。高校生女子の68%もが「会いたい」「会ったことがある」と答えていることに衝撃を受けました。そこで高2の女子3人に集まってもらい話を聞きました。

    竹内 この数字、どう思う?

    A子 これ、ウソついてる

    竹内 やっぱり?

    A子 100%会ってるよ!

    竹内 え? そっち?

    A子 私ら3人もネットが先

    B子 ◎◎高校合格者集合!

    C子 合格発表直後にね

    B子 ツイッターだったね

    A子 入学式にはクラス全員がつながってたよね

    彼氏づくりにも

     3人は関西の女子高特進コースの2年生です。特進コースは学年1クラスなので、入学前からクラスメートとして仲良くしていたそうです。

    竹内 校外でもそんな感じ?

    B子 趣味の合う子とか

    C子 コンサート会場とかね

    A子 ネットで彼氏づくりも

    B子 トップ画(プロフィルページなどのトップ画像)モリモリ

    C子 (画像)修正ソフト命

    B子 盛りすぎ注意(笑い)

    A子 会ったらがっかり~

    竹内 怖くないの?

    A子 ネットは深い話できる

    B子 どんな子かよくわかる

    A子 長くやりとりするよね

    C子 かえって安心

    A子 最初がネットってだけ

     ネットで彼氏をつくりたい子にとって、ネット上の写真が非常に重要です。修正ソフトで目鼻などをきれいに修正しますが、「修正しすぎると会ったらがっかりされる」。どれくらい修正するかが難しいところだそうです。

    「座間事件」は人ごと

    竹内 座間の事件知ってる?

    A子 うん

    B子 先生たち大騒ぎだった。家まで行くのはまずい

    A子 1人で行ったのも……

    C子 大勢人がいるのが鉄則。コンサート会場とかね

    B子 簡単に信用したのかも

    A子 うちらうまくやってる

     事件は自分たちとは関係のない遠い世界のできごとに映っているようなので、元中学校生徒指導担当の血が騒ぎ、“危険”を強調しました。しばらくは聞いてくれましたが、2~3分するとA子が「ホントですね、怖いから気をつけます」と言って目配せ。「用事を思い出したから帰ります」と言って他の2人を引き連れて帰って行きました。「また始まった」と思ったのでしょうか。完敗でした。どうしようもない焦燥感を感じています。来月に再度、会う約束をしたので頑張ります。

     グラフをもう一度見てください。中学生より小学生の方が割合が高く、実に56%です。まだ小さいので軽い気持ちで答えた子もいるのかもしれませんが、あと何年かすれば中高生になる年ごろです。本当に怖いのは、その時だと思っています。=次回は6月19日掲載


     ■人物略歴

    竹内和雄(たけうち・かずお)

     大阪府寝屋川市の中学校教諭、同市教委指導主事を経て2012年から兵庫県立大学准教授。著書に「スマホ時代のリスクとスキル」など。53歳。

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