メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

Topics

3賞受賞、藤岡亜弥さん「川はゆく」 広島の生命力収め

藤岡亜弥さん=高橋咲子撮影

 写真家・藤岡亜弥さんが広島を撮影したシリーズで三つの賞を受賞するなど、高い評価を得ている。写真集にまとめた『川はゆく』(赤々舎、2017年)は木村伊兵衛賞と林忠彦賞を、写真展は伊奈信男賞を受賞した。藤岡さんは思いがけない受賞に「うれしいのと同時に怖さも感じる。おずおずとやってきたようなものですから」と語る。

     藤岡さんは1972年広島県呉市生まれ。本作は文化庁の新進芸術家海外研修制度などで滞在していた米ニューヨークから帰国後、住み始めた広島市で撮影したものだ。

     広島カープの優勝に沸く人たちや、夏に咲き誇るキョウチクトウ、オバマ米前大統領の来日でざわめく街……。過剰な物語を排しつつも、一枚一枚がゆるやかにつながっていく。藤岡さんは「日常を暮らしながらそこから浮かび上がるものを見つめた」と話す。

     一方、「わかりやすいものを私の目が探してしまう苦しさがあった」と言うように、撮影当初は苦労したようだ。「ヒロシマ」のイメージは世界中にあふれており、原爆を知らない世代としてどう撮るかについても悩んだ。

     だが、今回から使い始めたデジタルカメラを携え、街をひたすら歩き回ったことから、道が自然に開かれてきた。デジタルだからこそ、枚数を気にせずシャッターを切ることができる。それゆえ、頭で考える以前の、肉体的な行為として撮影を進めることができた。

     写真集では冒頭に、平和記念公園を歩く子供たちの一枚を置いた。午後のひざしが丸いほおを輝かせている。藤岡さんは「街に今ある生命力を撮りたかった」と言う。川面のきらめき、同公園の「平和の灯」、外光を反射する高層アパートの集合ポストなど、光にあふれている。

     川が流れていくように街も少しずつ姿を変える。補強工事中の原爆ドームの一枚が示すように、「永久保存」をうたったドームですら永遠に同じ姿ではいられない。藤岡さんは今後も変わりゆく街を記録するという。【高橋咲子】

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 登山家 栗城史多さんエベレスト下山中に遭難 遺体で発見
    2. 損賠訴訟 男児頭部にレジ袋 葬儀会社相手取り遺族が提訴
    3. ORICON NEWS 登山家・栗城史多さん死去 エベレスト下山途中、遺体で発見
    4. ネパール 登山家の栗城さん、エベレストで遭難か
    5. 世界の雑記帳 死亡した英男児の棺が空と判明、遺体の扱いに疑念の母親が真実追及

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]