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ぐるっと首都圏・母校をたずねる

山梨県立甲府一高/6 成長させてくれた舞台 筒井真理子さん /東京

 ◆女優・筒井真理子さん=1978年度卒

     女優の筒井真理子さん(57)=1978年度卒=は舞台出身の実力派として知られ、映画、ドラマなどでも活躍しています。山梨県立甲府一高時代、応援練習やクラブ活動などを通じて心身がたくましくなったそうです。友人や恩師との出会いにも恵まれ「一高は自分を成長させてくれた舞台だった」と振り返ります。【長谷川隆】

     父はアクセサリーの製造会社を甲府市内で経営していました。兄弟は姉、姉、兄、私の4人です。両親はおおらかな人で、母からは「他人への愛をケチってはいけないよ」と教えられました。そのせいか、中学時代の私はどちらかと言えば繊細で、欲のないタイプだったと思います。

     高校は憧れの一高に進むことができました。旧制中の流れをくむ剛健気質の伝統校で、入学早々にその“洗礼”を受けました。応援練習です。

     1年生は午後から講堂に集められ、1週間毎日、はかま姿の応援団長のかけ声や迫力あるブラスバンドの演奏に合わせ「フレー、フレー、イチコウ」と声を出し、手拍子を取りました。約2時間ぶっ続けで、手を下ろすことができず、本当にきつかった。でも、そのおかげで、今でも応援歌を口ずさむことができます。

     中学はブラスバンド部でしたが、一高ではフィギュアスケート部に入りました。バレエに子どもの頃から憧れ、体を使って表現するところが似ていると思ったからでしょうか。忘れられないのは、ハードな夏合宿です。他高と合同で東京に遠征しました。朝はプリンスホテルのリンクで客のいない営業前に思い切り練習しました。日中は炎天下、砂浜でランニングです。砂に足を取られながら、前を走る男子部員に必死についていきました。

     4年前、ある民放の番組で約30年ぶりにフィギュアスケートのスピンに挑戦しました。クルクルクルと3回転、案外自然にできました。若い時に体で覚えたことは忘れないものですね。

     一高は伝統の強行遠足が毎年10月にあります。女子は山梨県の旧高根町(現北杜市)から長野県小海町まで約40キロのコースに挑みます。3年時の強行遠足で私は3位になりました。トップの子に続き、同級生1人と1年生の1人の計3人で励まし合いながら走りました。同級生が体育大学へ進学を希望していたので、先にゴールしてもらいました。

     話のできる友人にも大勢恵まれました。「人はどこから来て、どこに行くのか」。昼休み、日の当たる中庭の花壇の前で弁当を広げ、そんな哲学的なテーマについて友人と語り合うことも楽しみの一つでした。

     一高には“名物先生”がたくさんいて、その一人が国語の望月弘美先生(男性)でした。ベタベタの甲州弁の授業は文学的で内容が濃く、印象に残っています。先生は演劇部の顧問だったこともあり、私が女優になったことを喜んでくれました。帰郷時にお会いした際は「頑張って続けろよ」と励ましてくださいました。

     高校時代は女優になるとは思っていませんでした。でも、一高で培った体力や経験、自主性を重んじる校風の中で身に着けた「自分で考える姿勢」は、女優になった今も大いに役立っています。同窓生から応援してもらうことも少なくありません。一高に行って本当に良かったと思います。

    存在感放つ「ア・カペラ部」

     伝統のある甲府一高で、2013年3月に部員約10人で発足した「ア・カペラ部」が存在感を放っている。歴史は浅いが、合唱コンクールの県大会で金賞に輝くなど、実力は折り紙付きだ。

     一高では音楽は吹奏楽部の活動が盛んだ。ア・カペラは同好会としては存在していたが、生徒が集まらず長く休止状態だった。6年前に赴任した音楽教諭で現在の顧問、中源博さん(32)が「音楽で人を幸せにしたい」とメンバー集めに奔走し、部に昇格させた。

     週6日の練習を重ね、主に病院や障害者施設、刑務所に出向いて歌声を披露している。現在の部員は2、3年生だけで21人で、部長の岩下正和さん(3年)は「自分たちも楽しみながら歌うことを心掛けている」という。

     発足した年も含め、これまでに3度、全日本合唱コンクール県大会で金賞を受賞した。3月には3回目の定期演奏会を甲府市で開き、ミュージカル「レ・ミゼラブル」を熱演した。会場には300人以上が駆け付け、地元に知られる存在にもなった。日々の指導にあたる中さんは「生徒たちは(指導・助言を)素直に聴いてくれる。これからも、聴いている人が笑顔になるような音楽を届けたい」と話す。【井川諒太郎】=次回は23日に掲載


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     ■人物略歴

    つつい・まりこ

     1960年、甲府市生まれ。早大社会科学部卒。大学時代、鴻上尚史さんが主宰する「第三舞台」に感銘を受けて入団。以後、舞台以外にも活躍の場を広げ、多彩な役をこなす。NHK朝ドラ「花子とアン」などにも出演。カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞した映画「淵に立つ」で、第71回毎日映画コンクール女優主演賞などを受けた。

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