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社説

日中の保険料二重払い 解消による効果は大きい

 日中の企業にとっての重荷がやっとなくなる。その効果は大きい。

     両国の企業駐在員が年金保険料を二重に払っている問題が解消されることになった。先週の首脳会談に合わせて両政府が協定に署名した。

     日本企業の中国駐在員は約7万人に上る。日本に加えて、中国の年金にも加入が義務づけられているため中国にも保険料を払っている。

     保険料は会社が全額払うケースが多く、日本企業全体の負担は年数百億円にも及ぶとの試算がある。

     また、日本政府によると、中国企業の日本駐在員は数千人とみられ、中国側も同様の問題を抱える。

     二重払いは、経済のグローバル化に対応した企業の活発な海外進出によって生じたものだ。各国は、相手国への支払いを互いに免除する協定を締結して解消を図っている。

     日本は既に欧米と協定を結んでおり、中国とは2011年に交渉を始めた。12年の尖閣諸島国有化で関係が冷え込み、交渉も3年余り中断していたが、最近の改善の動きを反映し、ようやく署名にこぎつけた。

     協定が発効すると、さまざまなメリットが見込める。

     これまで日本企業は保険料がかさむため中国への駐在員派遣が制約されてきた。当局に保険料を納付する事務手続きも負担だった。こうした問題が解消し、中国での生産や販売に好影響を及ぼす可能性がある。

     中国は既に欧州や韓国と協定を結んでいる。日本企業も不利な条件がなくなることによって、停滞が続いた対中投資を回復させる余地も出てきそうだ。

     昨年の対中投資額は、ピークだった12年の半分もなかった。中国にも日本の投資を呼び込みたいとの狙いがあるだろう。

     中国企業にとっても、対日投資を増やす機会になりうる。

     今回の日中首脳会談は貿易や金融での協力も確認した。日本は人口が減り、国内市場が縮小している。安定的な経済成長の実現には、経済規模が世界2位の中国市場を開拓していくことが欠かせない。

     協定の発効には今後、法令の整備など日中の国内手続きが必要だ。関係が再び悪化すれば、手続きが滞りかねない。改善の流れを確かなものにして早期に発効させてほしい。

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