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将棋

第76期名人戦七番勝負 佐藤天彦名人-挑戦者・羽生善治竜王 第2局の4

我慢比べ 観戦記・上地隆蔵

 局面のポイントは銀が向かい合った7筋。立会人の中村修九段は「どちらも7五の地点に歩を打ちたくない。相手に打ってもらいたい」と言う。

     例えば[先]7五歩は自然に見えるが、その瞬間[後]8四角が返し技。角の素抜きがあるので[先]7四歩とは指せない。[先]3三角成[後]同桂[先]7四歩と二枚替えの順はあるが、[後]5七角成と馬を作られ、この変化は後手よし。

     一方、後手から[後]7五歩は[先]6七銀左。押さえ込んだようでも、打った歩が邪魔をして7筋の攻め駒が渋滞してしまう。7五の地点は、互いに我慢比べのようなもので、先に歩を打ったほうが負けなのだ。

     その理屈を、佐藤も瞬時に見抜いたようで[先]1六歩と手を渡した。将来[先]2四歩[後]同歩[先]同飛と2筋交換したとき、[後]1五角の王手飛車を消している。ここで羽生が封じ手の意思を示した。

     夕食会。羽生の隣という大役を、筆者は分不相応ながら任された。着替えた羽生が席に着く。ビールを注ごうとすると、羽生はすかさず手で制した。戦いの最中、アルコールは一滴も口に含まない。そんな強い自制心だった。よく見ると、佐藤もソフトドリンク。2人とも意識は2日目に向いている。翌朝、羽生の封じ手は[後]7三角(本日終了図)だった。

     [先]1六歩 26 [後]7三角 39

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