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我らが少女A

/282 第8章 3=高村薫 田中和枝・挿画監修

 今年も残すところ半月となり、特命班の長谷川が久しぶりに一杯やりましょうかと合田に声をかけてきたのは、野川事件の再捜査も年内で区切りをつけたいということでもあっただろう。

 合田さんの見立てのとおり、栂野(とがの)節子の身辺に突発的な暴力につながるなにがしかの緊張状態があったとすると、一番蓋然(がいぜん)性が高いのは上田朱美と玉置悠一と栂野節子の間の、三者三様の疑心暗鬼や感情の行き違いでしょう。その点は、うちの若い衆の意見も一致しています。婿養子の孝一の買春や性病は、節子にとって不愉快には違いないが、初めからそういう男だと見抜いていたわけだし、いまさら大きな問題ではなかったと考えるのが自然だからです。

 では、朱美と玉置と節子の三者間に、具体的に何があったかですが、客観的に確認できるのは、いまのところ…

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