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犀川のほとりで

金沢弁=室生洲々子 /石川

室生犀星の肉声を聞くことができるリスニングコーナー=金沢市千日町の室生犀星記念館で、中本泰代撮影

 祖父母は、金沢の人であった。なのに、家庭内では標準語を使っていたと母は言う。金沢の親戚が上京してきた時だけ、普段寡黙な祖父も饒舌(じょうぜつ)になり、金沢弁で街の様子や知人の事を尋ねていたそうだ。まだ幼かった母は、それからしばらくの間、面白がって覚えたての金沢弁を使っていたという。

 人前で話すことが苦手であった祖父が、講演を頼まれた時のこと。講演の時間は一時間なのに、一五分で帰って来てしまったらしい。「上がってしまって卒倒しそうになり講師を辞した」と、その失敗を振り返っている。それが教訓となって、ラジオに出演する時は必ず原稿を用意していた。当時祖父が使っていた原稿用紙は二〇〇字詰めで、一枚読むのに一分かかる。三〇分の放送ならば三〇枚、書いて持って行く。原稿を朗読して録音が無事に済んだときには、ご機嫌だったようだ。

 記念館には、リスニングコーナーがあり、自作の詩を朗読する祖父の声を聞くことができる。自宅で録音した…

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