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東芝

メモリ売却決着 どう描く成長戦略 「半導体の次」不在

 東芝が1年以上かけて進めてきた半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却劇が17日、決着した。最後のハードルだった中国の独占禁止法審査を通過したためで、当初方針通り米ファンド主導の「日米韓連合」に2兆円で売却する。東芝経営陣は1兆円近い売却益をインフラ事業などの強化に振り向ける計画だが、メモリー事業に代わる「稼ぎ頭」に育てるのは容易ではない。【柳沢亮、北京・赤間清広】

     「(日米韓連合への売却は)東芝メモリのさらなる成長に資するとともに、東芝本体の成長事業育成につながる」。東芝は17日夜、こうコメントした。

     関係者によると、東芝は当初、今年3月末までに中国の審査をクリアできると想定していた。だが、米ファンド、ベインキャピタルを核とする日米韓連合には韓国半導体大手SKハイニックスも参加している。中国当局が海外企業のM&A(企業の合併・買収)審査で自国の産業政策への影響を重視するのは「半ば常識」(業界筋)。中国の半導体産業に与えるインパクトを厳しく精査したと見られる。さらに、最近の米国との貿易摩擦激化の余波で「中国側の米ベインキャピタルへの風当たりが強まった」(政府筋)ことも審査が長引く要因となった。

     審査の通過が見通せない中、東芝の一部株主や幹部の間では4月以降、売却撤回案も浮上した。ベイン側との契約では、審査に通過しないなど手続きが滞った場合、東芝に解除権が発生する内容だったからだ。メモリー事業売却を決断したのは、もともと米原発事業の巨額損失による債務超過の穴埋めのため。だが、昨年末の6000億円の第三者割当増資で債務超過が解消されたため、「稼ぎ頭」を温存したい色気が出たわけだ。車谷暢昭(のぶあき)会長兼最高経営責任者(CEO)らは水面下で東芝メモリの売却を中止し、東芝が経営の主導権を握り続けられるIPO(新規株式公開)に切り替える案も検討していた。

     売却が決まったことで、東芝は1兆円近い売却益を得る上、メモリー事業の競争力確保に必要な毎年3000億円以上の投資負担から解放される。一方で、営業利益の9割超をたたき出してきたメモリー事業に代わる「稼ぎ頭」を見いだせておらず、経営が縮小均衡に陥るリスクもある。

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