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社説

アメフットの悪質タックル 日大監督はなぜ説明せぬ

 衆人環視の下でスポーツとはかけ離れた悪質な行為が起きた。しかも、大学や指導者から責任ある説明がないのは理解できない。

     アメリカンフットボールの定期戦で、日本大の選手が、パスを出し終えて無防備になった関西学院大の選手の背後から激しくタックルした。関学大の選手は負傷し、プレーの続行ができなくなった。

     フェアプレーの精神から大きく逸脱した行為であることは明白だ。

     日大は大学日本一を決める「毎日甲子園ボウル」で、関学大の28回に次ぐ21回の優勝歴を誇る強豪だ。

     27年ぶりに優勝した昨年、この選手は出場している。実力を備えた選手がなぜ危険な行為をしたのか。

     看過できないのは、日大の内田正人監督が反則行為を容認していたのでは、との疑問が生じている点だ。

     悪質な反則の後、選手を注意しなかった。さらに反則を重ねて退場となった際は、スタッフがねぎらうような仕草さえ見せたという。

     「監督が指示していた」と話す関係者がおり、試合後には「これがうちのやり方」との監督の発言があったとも報じられた。

     それだけに日大は経緯を速やかに説明し、誠意ある対応を行うべきだ。ところが、部の公式ホームページでの謝罪文と、関学大の抗議文への不十分な回答にとどまっている。事態の深刻さをどこまで認識しているのかと首をかしげざるを得ない。

     学内の調査で監督は自らの指示を否定した。また、抗議文への回答では、指導方針について「ルールに基づいた『厳しさ』を求めている」と記した。その「厳しさ」をめぐっては「指導者による指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きていた」と関学大に説明した。

     まるで選手が曲解したと言わんばかりだが、実態はどうなのか。当の監督自身が公の場で一切語らないようでは、関学大が不信感を募らせるのも無理はない。

     管轄の関東学生アメリカンフットボール連盟は規律委員会を設置し、調査に乗り出した。

     日大は伝統があり、アメフット界では発言力がある。だからといって真相究明に腰が引けることがあってはならない。事態の正常化に向け、連盟は統率力を発揮すべきだ。

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