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社保費目安

財務省、従来ライン拒否 歳出抑制緩む恐れも

 政府の新たな財政健全化計画の焦点である社会保障費の伸びの「目安」について、財務省は数値目標の見送りを容認した。費用の伸びを「高齢化による増加分の水準におさめる」とした従来計画の文言が踏襲されれば、2019~21年度は高齢化の伸びが鈍るため、歳出を抑制できると判断したためだ。だが、明確な数値目標がなければ毎年度の予算編成で歳出抑制のタガが緩む恐れもある。

     「(75歳以上の)後期高齢者の増加ペースが鈍るのに、従来計画と同じ『3年で1.5兆円』と明記するくらいなら、何も書かない方がマシだ」。財務省幹部は、数値目標の見送りを認める理由をこう説明した。

     16~18年度は、社会保障費の伸びを3年間で1.5兆円に抑える数値目標を設定。財務省は、16~18年度より後期高齢者の人口が少なくなる19~21年度は、1.5兆円よりも厳しい数値目標を明記したい意向だった。しかし、来年の参院選などを控え、高齢者や医療界の負担増を嫌う与党の一部は猛反発。認められるぎりぎりのラインは従来計画と同じ1.5兆円だったが、財務省は「それでは歳出抑制にならない」と拒んだ。

     財務省が数値目標に代わって目を付けたのが、従来計画に盛り込まれている社会保障費の伸びの抑制に関する記述だ。従来計画は、20年度に向けて社会保障費の伸びを「高齢化による増加分に相当する水準におさめることを目指す」と明記して閣議決定されている。財務省は21年度も同じ考えが適用されるよう新たな計画に盛り込むことを調整しており、数値目標に匹敵する歳出抑制規律にしたい考えだ。

     だが、明確な数値目標がなければ、毎年の予算編成で費用の伸びをどこまで抑えるべきか議論が紛糾するのは必至。財政健全化を軽視しがちな首相官邸や与党が圧力を強めれば、財務省の思惑通り社会保障費の伸びを抑制できない可能性がある。【大久保渉】

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