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社説

エネルギー計画の見直し 比率変えないかたくなさ

 政府が、エネルギー基本計画の改定案をまとめた。柱になる2030年度の電源構成比の目標は原発、再生可能エネルギーとも3年前の決定と変わっていない。

     この間、エネルギーを巡る環境は国際的にも国内的にも大きく様変わりしている。それにもかかわらず、現行の構成比に固執する姿勢は理解に苦しむ。

     計画案は原発の目標比率を20~22%に、再生エネは22~24%に据え置いた。足踏みを続ける日本をよそに、先進国では太陽光など再生エネの拡大が急ピッチで進んでいる。地球温暖化対策が、待ったなしの事態になっているからだ。

     今回の計画案にも温暖化対策への配慮はうかがえる。再生エネを「主力電源」に格上げしたのは、そのためだろう。

     そうであれば、目標も引き上げるのが自然だが、経済産業省のかたくなさがそれを押しとどめた。持ち出されたのは、コストが高く、出力が不安定といった課題があるため、目標の引き上げは困難という理屈だ。

     もっとも、再生エネ比率は既に約15%に達している。電力自由化に伴う競争激化で、東京電力など大手電力会社も導入を拡大し始めた。目標の固定化は、そうした動きを制約しかねない。

     原発の目標を維持したことも疑問だ。達成には30基程度の稼働が必要だが、7年前の福島事故以降、再稼働したのは8基にとどまる。

     関西電力が昨年、大型原発2基の廃炉を決めたように原発の経済性も揺らぎ始めている。目標達成の可能性には専門家も首をかしげている。

     ところが計画案は、「依存度は可能な限り低減していく」という従来の方針を維持しつつも、「安全性・経済性・機動性に優れた炉の追求」との表現で将来の新設に含みを持たせ、従来の目標を固持した。

     昨夏、計画の改定を始めた経産省は当初から、「骨格を変える必要はない」と現状維持の方針を打ち出していた。原発の是非など国民の意見の割れる問題が、政治的な論争に発展するのを避けたかったようだ。

     しかし、そうした困難を乗り越え、将来像を示すのが政府の役割であろう。初めに答えありきの計画改定は本末転倒と言わざるを得ない。

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