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余録

海岸の砂は古来、数限りないものにたとえられてきた…

 海岸の砂は古来、数限りないものにたとえられてきた。平安時代に編まれた古今和歌集(こきんわかしゅう)では、紀貫之(きのつらゆき)が序文で「浜の真砂(まさご)の数多くつもりぬれば」と和歌の数多さと隆盛をたたえている▲だが、日本の砂浜は「限りない」と胸を張れるような状況ではなさそうだ。国土交通省は1980年ごろから、全国で毎年約160ヘクタールの砂浜が消え続けているとみている。ダムの建設や護岸工事で、河川からの砂の供給が減ったことなどが原因だ。砂浜が縮んだため、海水浴場が閉鎖されてしまったケースもある▲鳥取県のシンボル、鳥取砂丘も例外ではない。戦後の開発で沿岸の海流が変わった影響で、砂浜が浸食され続けている。終戦直後に比べて、約50メートルも後退した海岸線もあるという▲砂丘を守ろうと鳥取県は砂丘の東西にたまった砂を船などで運び、浸食された場所に戻す作業に取り組んでいる。年間約1億2000万円を要し、半永久的に続ける必要があるが、すでに10年以上継続している▲これとは別に、ボランティアによる砂丘の除草も進めている。雑草がはびこると砂丘が草原化してしまうためで、募集に応じた人たちが夏季の涼しい時間帯、草むしりに協力している▲自治体などを中心に砂浜を維持、復元しようとする活動は「養浜(ようひん)」と呼ばれている。静岡県・三保松原(みほのまつばら)や千葉県・九十九里浜(くじゅうくりはま)など取り組みや検討は各地で広がっている。浜の真砂が尽きぬためにも地域の工夫と努力が欠かせないという、今時の白砂青松(はくしゃせいしょう)の国である。

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