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デーリー通信

(18)乱射事件でも銃規制に消極的なテキサスの町

サンタフェ高校では乱射事件から一夜明け、生徒や教職員が警察の誘導で車や荷物などを取りに戻った=米テキサス州サンタフェで2018年5月19日、長野宏美撮影

 10人が死亡した高校での銃乱射事件が起きた米南部テキサス州サンタフェで、多くの人の声を聞いた。2月に17人が犠牲になった南部フロリダ州の高校での事件後は、同校の生徒を中心に銃規制を求める運動が広がった。だが、サンタフェでは銃規制の強化を訴える声をほとんど聞かなかった。米メディアも「フロリダとの違い」に着目した。人口1万3000人の町を車で走ると、牛や馬が草を食べるのどかな風景が広がる。多くが狩猟などのため銃を所有するという。現地で聞いた声を紹介する。【サンタフェ(米南部テキサス州)で長野宏美】

サンタフェ高校の乱射事件で銃声を聞いて逃げた同校のベイリー・サブノスキーさん。両親と一緒に事件について語った=米テキサス州サンタフェで2018年5月18日、長野宏美撮影

ベイリー・サブノスキーさん(16)、女性

 校舎の外で銃声を聞き、近くのガソリンスタンドまで逃げた。

 いつ安全だと思ったか? 今も安心できないでいる。でも正直に言えば、(事件に対して)私はそれほど怒っていない。ただ、ショックを受けていて、今は哀悼の時だと思う。

 私たちは、銃を持った警官が事件を止めたことをもっと知るべきだと思う。事件に反応し、負傷した警官を褒めるべきだ。彼らがいなかったらもっと多くの犠牲者が出ていたかもしれない。

 (注)米メディアの報道では、銃を持った警官がいたから被害を食い止めたという見方と警官がいたのに事件を止められなかったという意見の両方が出ている。

コリガン・ガルシアさん(18)、男性

 歴史の授業を受けていて、銃声を聞いて逃げた。

 誰もが顔見知りの小さな町なので驚いている。私の親を含め、町の多くの人が銃を所有していて、銃がどういうものなのか、幼い頃に教えられる。銃は狩猟などで使い、恐怖はなく尊重している。事件を受けて(副知事から)学校の入り口が多すぎるなどという発言が出て、学校のレイアウトの問題になっているのはばかげている。安全対策としては、火薬をかぎわけられる犬を使って検査するといいと思う。

 だが、今回の事件を学校の安全の問題だとは思わない。(事件を起こした)人間の問題だと思う。なぜ彼がこうなったのか、そこを考えるべきだ。

乱射事件のあったサンタフェ高校に花を手向けに来たエラ・ランキーさん=米テキサス州サンタフェで2018年5月18日、長野宏美撮影

エラ・ランキーさん(20)、女性

 隣町の高校を卒業した。現場の高校に花を手向けに来た。

 これは大人の責任だ。学校や親らが、容疑者の兆候を見逃してきたのではないか。銃の問題ではなく、人とどう接するかの問題だと思う。

 フロリダ州では高校生から銃規制の運動が広がった。誰にも抗議運動をする権利はあるので自由だと思うけれど、テキサスは違う。何が違うかって? もっと自己責任を重視する土地柄だ。それに、私たちは幼い頃から銃とともに育っている。

ケイリー・コージーさん(20)、女性

 ランキーさんと一緒に花を手向けに来た。

 容疑者(17)の年齢で銃を持てることは問題だと思わない。私は、5歳の時から父に銃の安全の問題について教えられた。「銃をどうやって正しく扱うか」や「銃口を人に向けてはいけない」などを学んだ。父は狩猟などのため銃を所有し、銃の携帯の許可証も持っている。

乱射事件のあったサンタフェ高校の前に娘と花を手向けに来たカイリー・ポッツさん=米テキサス州サンタフェで2018年5月19日、長野宏美撮影

カイリー・ポッツさん(40)、女性

 事件を聞いてヒューストンから娘(7)と花を手向けに来た。銃規制の問題だとは思わない。親がもっと自分の子どもに注意を向けるべき問題だと思う。

サム・ランボイさん(40)、女性

 近隣の社会奉仕団体「ライオンズクラブ」のメンバーだ。子どもたちの恐怖を取り除き、学校の安全のため、今すぐ変化を起こすべきだ。学校の入り口で、かばんの検査をするように親たちが声を上げるよう促したい。その次のステップとして金属探知機での検査も考えられるだろう。

乱射事件のあったサンタフェ高校で記者の質問に答えるランディ・ウェバー下院議員=米テキサス州サンタフェで2018年5月19日、長野宏美撮影

テキサス州選出のランディ・ウェバー下院議員(共和党)

 銃を持った悪い人を止めるのは、銃を持った良い人だ。教師の武装や学校に配置する警官の増員に賛成する。教師が銃を扱うトレーニングも必要だろう。17歳が銃を使うことについても反対しない。親の管理下で一緒に狩猟に行くのは問題ないと思う。

乱射事件のあったサンタフェ高校は一夜明けても規制線が張られ、生徒や教職員の車が多く残されたままだった=米テキサス州サンタフェで2018年5月19日、長野宏美撮影

長野宏美

2003年入社。水戸支局、社会部、外信部を経て2015年4月から現職。社会部時代は警察庁や裁判員裁判などを担当。2008年の北京五輪を現地で取材した。元プロテニスプレーヤーで、1995年全日本選手権シングルス3位、ダブルス準優勝。ウィンブルドンなど4大大会にも出場した。

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