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イラク日報

防衛相「文民統制に関わりかねず」17人処分

日報問題の調査結果提出を受け、取材に応じる小野寺五典防衛相=東京都新宿区で2018年5月23日午前10時2分、小川昌宏撮影

 防衛省が国会で「不存在」としていた陸上自衛隊イラク派遣時の日報が見つかった問題を巡り、同省は23日、陸自研究本部(現在の教育訓練研究本部)の教訓課で昨年3月に発見された日報が報告されなかったのは当時の稲田朋美防衛相の探索指示が徹底されなかったことや、現場の不適切な事務処理が原因だったとする調査結果を公表した。組織的隠蔽(いんぺい)行為は否定したが、指揮監督責任として河野克俊統合幕僚長を訓戒、豊田硬(かたし)事務次官を口頭注意とするなど一連の問題に関して計17人を処分した。

 研究本部の問題については当時の教訓課長だった田丸正勝1佐ら3人を戒告や減給などの懲戒処分、上司の総合研究部長だった荒井正芳陸将補ら3人を訓戒などの処分にした。また、統合幕僚監部が今年2月に日報の存在を知ってから小野寺五典防衛相に報告するまで約1カ月かかった問題などについても、統幕の鈴木敦夫総括官らを訓戒などの処分とした。

 イラクの日報については、昨年2月20日に稲田氏が衆院予算委員会で「残っていないことを確認した」と答弁した後、統幕に再探索を指示。陸自研究本部は1度、「ない」と回答したが、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の特別防衛監察の過程で3月27日に外付けハードディスクに日報が残っているのを発見した。

 調査報告によると、稲田氏の指示を伝えた統幕の担当者の依頼が不明確で、教訓課では大臣指示があったという認識はなく、担当者らも南スーダンの日報以外は陸上幕僚監部などに報告する必要はないと判断。日報の存在は田丸1佐や荒井陸将補に報告されるだけにとどまっていた。3日後にイラクの日報などの情報公開請求について陸幕から照会があった際も、日報の存在を知らなかった教訓課の担当者が課長らに確認しないまま、「保有していない」と回答していた。

 小野寺防衛相は「防衛省・自衛隊が組織として防衛相の指示に応えられず、文民統制(シビリアンコントロール)にも関わりかねない重大な問題をはらんでいた。再発防止に全力を挙げたい」と同省で記者団に語った。【前谷宏、秋山信一】


イラク日報問題に関する処分者

減給1カ月(30分の1)

陸自研究本部教訓課担当者(昨年3月当時)

戒告=教訓課長(同)、統合幕僚監部参事官付職員(同)

訓戒

河野克俊統幕長、鈴木敦夫統幕総括官ら5人

注意

統幕参事官、文書課長ら4人

口頭注意

豊田硬事務次官、山崎幸二陸上幕僚長、高橋憲一官房長ら5人


イラク日報問題

 稲田朋美防衛相(当時)が昨年2月の国会で「ないことを確認した」と答弁していた陸上自衛隊イラク派遣時の日報の一部が今年4月2日、陸自研究本部(現在の教育訓練研究本部)や陸上幕僚監部で保管されていたことが公表された。このうち、研究本部では昨年3月27日に見つかったのに今年3月末まで小野寺五典防衛相に報告されていなかった。小野寺氏は、海外派遣部隊の日報の探索を全部隊に指示。陸自のイラク派遣については計469日分が見つかり、宿営地付近であった銃撃戦を「戦闘が拡大」と記載していたことなどが判明した。

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