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社説

6・12巡るトランプ発言 駆け引きより原則追求を

 米韓首脳会談の冒頭、トランプ米大統領が、条件が整わなければ北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談先送りも辞さない考えを示した。一方、核問題解決は「一括妥結が望ましいが、完全にそうでなければならないわけでない」とも述べた。

     来月12日に予定される史上初の米朝首脳会談を前に、双方の駆け引きが活発化していることの表れだ。

     北朝鮮は最近、米朝会談の取りやめを示唆し、米国に揺さぶりをかけた。今回のトランプ大統領の発言は、これに対抗しつつ、非核化の手法に柔軟な姿勢を示し、北朝鮮への「誘い水」とする狙いもあるようだ。

     表向きはけん制し合うが、米朝会談は実は双方とも必要としている。トランプ大統領は今秋の中間選挙を前に、過去に誰も実現していない成果を目指している。次期大統領選での再選の布石とする思惑だろう。

     一方、北朝鮮は長年、自らの体制保証を求めて米国との対話を望んでおり、千載一遇の好機がめぐってきた。それぞれに有利な条件で会談に臨もうとしている状況だ。

     ただ、会談を行うこと自体が目的ではない。日米が目指す、完全かつ検証可能で不可逆的な北朝鮮の非核化実現のためにどのような合意をするかが重要だ。手段が目的化してはならない。

     これまでトランプ大統領は、功を急いでいるとの印象もあった。今回の発言が、恒久的な非核化という原則に沿った合意を目指すための駆け引きだとすれば、理解はできる。

     北朝鮮は最近、韓国への攻勢を強めている。豊渓里の核実験場廃棄の取材について、いったん韓国記者団の受け入れを拒否したり、脱北した中国の北朝鮮レストラン従業員の送還を要求したりした。それでも、韓国政府は米朝会談実現を最優先し、北朝鮮を刺激しないよう配慮する姿勢が目立ち、気がかりだ。

     中国との関係改善が金委員長を強気にさせている面もありそうだ。

     北朝鮮は今後もさまざまな駆け引きを仕掛けるだろう。受け入れ困難な高い要求を突きつけたうえで、突然態度を軟化させるのが北朝鮮のこれまでの交渉パターンだった。

     北朝鮮の非核化に向け、関係国が一層緊密に連携し、具体的な交渉の条件を詰めるべき時だ。

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