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社説

森友記録と自衛隊日報 うそと隠蔽の罪は大きい

 財務省がきのう、森友学園との国有地取引に関する交渉記録などを明らかにする一方、防衛省は陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報をめぐる問題の調査結果を公表した。

     そもそも二つの重要発表を同じ日に設定したこと自体が、国民の理解を得ようという姿勢ではない。膨大な情報を一度に公表することで、個々の報道を減らし、国民の関心をそらす意図があるとしか思えない。

     公文書は何のためにあるのか。いずれも政府側が理解していない実態を改めて示したと言えるだろう。

     森友学園との交渉記録について、財務省の佐川宣寿前理財局長は昨年の国会で「残っていない」と再三答弁してきた。

     ところが存在していることが報道されて国会が調査を要求。これを受けて同省は今回、職員個人の「手控え」などの形で残っていたことが分かって公表したと説明している。

     財務省は森友問題に関する決裁文書の改ざんに手を染めた。しかも驚くことに今回、佐川氏の答弁に合わせるため、改ざんと同時に交渉記録の廃棄も進めていたことが分かった。この隠蔽(いんぺい)工作は誰の指示だったのか。さらに調査が必要だ。

     国会に提出したのは、この交渉記録と改ざん前の決裁文書、近畿財務局が本省に相談した際の「本省相談メモ」で計約4000ページに及ぶ。

     相談メモには、安倍晋三首相の妻昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が2015年秋、財務省理財局の担当課に対し、学園への土地貸付料について優遇措置が受けられるかどうか可能性を問い合わせたとする記述もあった。

     今後も文書を精査し、国会で真相を解明していくのは当然だ。

     一方、防衛省は存在しないとしていたイラク派遣部隊の日報が見つかった問題について、「組織的な隠蔽はなかった」と結論づけた。

     情報が省内の一部にとどまっていたのは担当者の認識不足などが原因だったという。だとすれば、個人の認識不足でこれだけ公表が遅れた点に組織上の問題があろう。

     両省とも隠さず情報を出していれば、国会審議は違った展開となっただろう。国民世論も変わっていた可能性がある。うそと隠蔽。安倍政権の罪は極めて重い。

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