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社説

選手説明翌日の日大会見 責任逃れだけが目立った

 日本大に対する不信感が強まっていることを大学当局者はわかっているのだろうか。

     アメリカンフットボールの悪質なタックルを巡って日大前監督の内田正人氏と、コーチだった井上奨(つとむ)氏が記者会見を開いた。タックルした日大の宮川泰介選手が指導者の指示だったと認めた会見の翌日だった。

     宮川選手は、自身の会見では名前や顔を公表し、関学大に謝罪した。指導者の発言内容やプレーに至る経緯の説明は具体的だった。だが、内田、井上両氏はあらためて指示を否定した。

     井上氏は「つぶせ」とは伝えたが、けがをさせることが目的ではなかったと強調した。内田氏はボールを見ていたため、悪質なタックルには気づかなかったと語った。

     だが、それではつじつまが合わない。試合直後、悪質な反則を問われ「(自らの指示で)やれと言ったでいい」と、プレーを承知したような内田氏の発言が報じられている。

     また、内田氏は「(宮川選手は)よくやったと思う」と話したという。反則は試合開始早々にあり、宮川選手はわずか数分間のプレーで退場した。短い出場時間のどんなプレーを評価したのか問いたい。

     被害選手側からは警察に傷害容疑で被害届が出されており、内田氏や井上氏は共謀や教唆の有無を問われる可能性がある。その責任を逃れるため、「けが」という言葉に敏感に反応した印象は拭えない。

     日大の公式見解では、指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)があったことを問題の本質と捉えている。もし乖離があったなら、語るべきは、それを引き起こした指導者のアプローチの拙さのはずだ。

     会見からは、強圧的な態度や言葉の圧迫による古い体育会気質の指導の構図も浮かび上がった。

     本来、学生を守る立場にある大学が、選手の会見翌日に、組織防衛の形で急きょ反論会見を設定した姿勢が常識から外れている。

     約2時間に及んだ会見を強制的に打ち切ろうとした司会の大学職員にも批判が集まっている。

     日大は第三者委員会で真相究明にあたるという。しかし、一連の対応を見ていると、中立性や信頼性を保てるかどうか疑わしい。

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