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主食のご飯やパン以外にも、おかずや菓子類など非常食の種類は増えている=東京都渋谷区の東急ハンズ新宿店で2018年5月17日、藤渕志保撮影
石井食品の3種のリゾットセット=同社提供
5年保存可能なカゴメの野菜ジュース「野菜一日これ一本 長期保存用」=同社提供

 東日本大震災のような大災害に備える非常食が進化を続けている。栄養バランスやアレルギーに配慮した健康志向型の食品のほか、食べ方や味わいに一工夫を加えた新商品が続々と登場。非常食の最新事情を調べるとともに、専門家にアドバイスを聞いた。

     ●塩分過多防げ

     「災害時もバランスの良い食事は欠かせません」。今年4月に国立健康・栄養研究所で発足した国際災害栄養研究室。笠岡宜代室長(専門は栄養学)は日常生活だけでなく、災害時も栄養バランスに配慮した食事の重要性を説く。

     避難先ではおにぎりや菓子パン、カップ麺など、炭水化物や塩分の多い食事に偏りがちだ。十分な食料を確保しにくい災害直後は、カロリーの高い食品が体の活力維持の面で効果を発揮する。ただ、笠岡室長は避難生活が長引くにつれ、さまざまな栄養素の摂取を心掛けるよう助言している。

     主食だけではビタミンやたんぱく質、ミネラル類が不足しやすい。また、ストレスを感じやすい避難生活では、不眠や血圧・血糖の上昇、便秘に悩む人も多い。バランスの取れた食事ができなければ、避難先で体調を崩す恐れがある。

     東日本大震災では、十分な食料が避難者に届くまでに5~6日かかったケースが目立ったという。このため政府は各家庭で最低3日分、できれば1週間分の食料備蓄をするよう推奨。疲労の蓄積や食欲の減退も予想され、笠岡室長は「好きな物、食べ慣れた物をストックしておくことが生き延びるコツ」と話す。

     ●ガス不要、皿いらず

     では、どのような非常食をそろえることができるのか。防災意識の高まりを背景に食品メーカーは非常食のメニューを増やし、日常生活に近い食事の実現を目指している。

     ハウス食品は、ガスや水道などのライフラインが断絶しても食べられる「温めずにおいしいカレー」(税込み200円)を販売中。賞味期間は3年で、食物アレルギーを起こす原材料7品目(卵、牛乳、小麦など)を除いたのが特徴だ。とろみを出すためリンゴの繊維などを使用。香りが強いスパイスを使い、温めなくても食欲をそそるように工夫した。

     化学調味料などを使わない食品が売りの石井食品(千葉県船橋市)は、無添加調理のおかゆ、リゾットの3食セット(同1296~1316円)をネットで販売している。袋自体がお皿代わりになり、付属のスプーンで手軽に食事ができる。熊本地震の被災者の意見も聞いて野菜を多く取り入れたおかゆ「potayu(ぽたーゆ)」を開発し、6月から発売する。

     カゴメは2015年、賞味期間を5年半に延ばした野菜ジュース「野菜一日これ一本 長期保存用」を発売。野菜の組み合わせを変えたり、腐食に強い蓋(ふた)を採用したりして長期保存を可能にした。1缶で野菜30品目350グラム分を使い、不足しがちな食物繊維やカルシウム、鉄などが補える。

     このほか、江崎グリコは5年3カ月保存できるクリームサンドのビスコ保存缶をスーパーやコンビニなどで販売。歯が生えて間もない子どもから高齢者まで幅広く食べられるのが特徴だ。個包装で分配もしやすい。07年に発売し、保存期間を延ばしながら900万個以上を売り上げた。

     ●普段から活用を

     東急ハンズ新宿店では家具の転倒防止グッズや防寒具など防災関連商品約200種類を販売している。その半分近くが食料品で、250~500円前後の商品が多い。ぶり大根や塩麹(こうじ)チキンなど味にこだわった商品が人気という。

     売り場を担当する高橋真人さん(44)は「非常食も自分好みにカスタマイズすることがおすすめ」と語り、笠岡室長も「事前に食べて味に慣れることが大切」と助言する。非常食を定期的に食べながら買い足していく「ローリングストック法」も、非常時に備える手法として有効と言えそうだ。【藤渕志保】

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