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アートの扉

岡村桂三郎 百眼の魚18-1 異界へと誘う存在感

 頭部が見えない巨大な魚が漆黒の海を悠然と泳ぐ。こちらを見つめるのは体に付いた多数のまなこ。堂々とした姿態、神秘的なまなざしに世外の境地へ誘われる。

 日本画というと色彩が美しい花鳥画や風景画が思い浮かぶ。だが、画材は同じでも岡村桂三郎さん(60)の絵画はそうした先入観をやすやすと突き抜ける。まずサイズが大きい。高さ3・5メートル、横1・2メートルのパネルを複数枚つなぎ、屏風(びょうぶ)状に仕立てるのが今の基本。本展はこれまで約10年間に制作した27点が曲折して立体感を見せながら壁のようにそそり立つ。今年完成した本作は全長12メートルあり、迫力満点だ。

 手法も独特。板の表面を焼き、膠(にかわ)で定着させた岩絵の具を削って形象を浮かび上がらせる。美術館…

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