メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

クローズアップ2018

集中審議 森友学園、加計学園問題 首相、説得力欠く

 ◆加計

    「首相と面会は誤情報」→事実なら、学園が親友利用

     28日の衆参予算委員会で安倍晋三首相は、愛媛県文書に記載された学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長との面会を改めて否定し、「森友学園」への国有地売却問題でも自身や妻昭恵氏の関与はなかったと強調した。「新事実はない」と強調して幕引きを図りたい首相だが、矛盾点を指摘する野党の追及は続き、疑惑の払拭(ふっしょく)には至っていない。

     「(2015年2月25日の首相と加計理事長の)面会が架空だと、説明がつかないことが多すぎる」

     共産党の小池晃書記局長は参院予算委で、「実際になかった面会を引き合いに、愛媛県に誤った情報を伝えた」とした学園のコメントに触れながら面会を否定する首相を追及した。

     コメントを巡っては、面会を記載した文書を国会に提出した同県の中村時広知事が27日、「県文書が正しかったという証明になる」との認識を示している。一方、面会が虚偽なら、これまでの首相答弁ともつじつまは合う。

     ただ、県文書には、学園側の説明として「2月25日の面会を受け、柳瀬(唯夫)首相秘書官から資料提出の指示あり」との記載や、面会時に学園側が首相に提供した資料を基に文部科学省がアンケートを実施したと読める部分もある。学園側は面会を前提にしたうその情報を県や愛媛県今治市に提供し続けていたことになる。

     小池氏は、面会が事実だった方が、3月以降に学園側が柳瀬氏と容易に首相官邸での面会を取り付け、助言を受けたこととの整合性が取れると指摘した。説明を求められた首相は「コメントする立場にない」と述べるにとどめた。

     学園のコメントが事実でも、別の問題が生じる。文書によると、学園は15年3月3日の県との打ち合わせで、首相が加計氏に「新しい獣医大学の考えはいいね」と述べたと報告。(1)県による首相官邸への非公式な働きかけ(2)県と今治市の財政支援--を要請した。

     実際、今治市は獣医学部の校舎建設費(約192億円)の半額までの補助を決め、県もうち31億円を負担する。首相は「加計氏は自分を利用して何かを成し遂げようとしたことは一切ない」と擁護してきたが、学園側が「首相の理解」を偽り、県と同市を利用しようとした構図になる。

     立憲民主党の福山哲郎幹事長は「うその報告を県や今治市にして、官邸を動かそうとした。政府をだまして事業をやろうとした犯罪的行為に等しい」と糾弾。首相は「透明なルールにのっとって特区の民間議員が判断した。特区の認可と私が加計氏と会ったことは関係ない」と切り返した。しかし、学園側がなぜ面会を偽ったかが明らかにならない限り、国家戦略特区での事業者認定の正当性を強調しても説得力に欠ける。

     ある問題点で整合性を取ろうとすると、別の部分の整合性を問われる「泥縄式」。学園や首相はさらなる説明を求められている。

     小池氏は「(学園コメント通りなら)架空の面会をでっち上げて利用されたわけだから、首相はカンカンに怒らなければいけない」と挑発したが、首相は「私は常に平然としている」と淡々とかわした。

     ところが、加計氏との度重なる会食費用を巡る論戦では一変。無所属の会の江田憲司衆院議員が「贈収賄に当たり得る。(国会に加計氏を)呼ばないから国民の疑惑が晴れない。完全にアウトだ」と追及すると、首相は「犯罪者扱いされることは極めて、極めて、極めて失礼な話だ」と色をなして反論した。【野口武則】

     ◆森友

    「関与ないは贈収賄ないの文脈」責任範囲狭め 疑惑の日、記録欠落 籠池氏、「昭恵氏が『前に進めて』」

     財務省が森友学園に関する交渉記録を廃棄したり、決裁文書を改ざんしたりしたのは安倍首相や昭恵氏の関与を隠すためではないか--。28日の衆参両院予算委員会で野党はこの点を繰り返し追及した。

     佐川宣寿理財局長(当時)が廃棄したと国会で答弁した交渉記録は、昭恵氏の「関与」をうかがわせる内容だ。国民民主党の増子輝彦氏は参院予算委で「昭恵氏が14カ所も出ている。これでもまったく関係がないか」と指摘した。

     一方、学園の籠池泰典理事長(当時)は14年4月28日、理財局との打ち合わせで「いい土地ですから、前に進めてください」という昭恵氏の発言を紹介した。ところが、公開された交渉記録にはこの部分がなく、「昭恵氏隠し」という批判が出ている。

     自民党の平井卓也氏は衆院予算委で「本当にないのか」と質問し、麻生太郎副総理兼財務相から「4月28日の分は今までの段階で見つかっていない」という答弁を引き出した。政府が意図的に隠したのではないというわけだ。

     共産党の小池晃氏は参院予算委で「首相夫妻を守るために行われたという構図ははっきりしている」と述べ、首相に辞任を迫った。しかし、首相は「私も昭恵も財務省にあれこれ言っていない」とかわした。「私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員も辞める」という昨年2月17日の国会答弁については「贈収賄はまったくないという文脈」と軌道修正した。

     これに対し、国民民主党の玉木雄一郎共同代表は28日の記者会見で「関与の範囲を贈収賄だけに急に限定した。ゲームが始まってからルールを変えて言い逃れしようとしている」と批判。森友問題でも加計問題でも、たびたび説明を変える政府側は苦しい立場に追い込まれている。【朝日弘行、杉本修作】

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
    2. ゴーン会長逮捕 日産社長「私的流用、断じて容認できない」 会見詳報(1)
    3. 高校野球 練習試合で頭に死球、熊本西高の生徒が死亡
    4. 全国高校サッカー 県大会 西京、5年ぶり全国切符 高川学園の猛攻しのぐ /山口
    5. 日産 ゴーン会長を解任へ 「会社資金を私的に流用」

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです