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長官鳥瞰

立ち直った姿にエール=鈴木大地

 アメリカンフットボールで日大選手が関学大選手に悪質なタックルをした問題は、日大選手が自ら記者会見する事態に発展した。状況が刻々と変化しているので詳しい言及は避けるが、勇気を出して会見に臨んでくれたと思う。本質的には自分で善悪を判断できる選手と良質な指導者を育成していく必要があると考えている。

     誰でも過ちは犯すものだ。自ら深く反省し、見事に立ち直ってくれた人には拍手を送りたい。

     その点でうれしかったのが、バドミントン男子の桃田賢斗(NTT東日本)だ。4月のアジア選手権(中国・武漢)で復活の初優勝を果たし、準優勝した国・地域別対抗戦の男子トマス杯(バンコク)でも活躍した。

     ご存じの通り桃田は、リオデジャネイロ五輪を間近に控えた2016年4月に違法カジノ店で賭博をしていたことが発覚し、日本協会から無期限の出場停止処分を受けた。スポーツ庁が発足し比較的初期に起こった問題なのでよく覚えている。私も立場上「厳しく対処すべきだ」と述べたが、処罰を与えるだけではなく、周囲が更生を見守り、再び立ち直ってくれることを心から願っていた。

     その後、関係者からの報告で、桃田がバドミントン教室などの更生プログラムを着実にこなしていることを知った。選手にとって、試合に出られないことは一番つらい。アメフットの日大選手も会見で、そう話していた。桃田も実戦を離れた期間に自分と向き合い、反省を深めたのではないか。社会的制裁も十分に受けた。

     運動生理学の発達などで選手寿命が延びる傾向にあるとはいえ、いったん第一線を離れたトップアスリートが盛り返すことは簡単ではない。だからこそ、再び世界のひのき舞台に戻ってきた桃田にはエールを送りたい。桃田は香川県出身だが、中学、高校を福島県で過ごした。富岡高1年だった11年3月には東日本大震災に遭った。更生プログラムを通じて学んだ経験や被災者の思いにも寄り添いながら、「復興五輪」とも言われる20年東京五輪でも活躍してほしい。(スポーツ庁長官)

        ◇

     「鳥瞰(ちょうかん)」とは空を飛ぶ鳥のように全体を大きく眺め渡すという意味です。鈴木長官が幅広い視野でスポーツ界を展望します。(原則月1回掲載、署名は自筆)

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