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街角から

インドのイスラム教徒 ニューデリー支局・松井聡

 あるイスラム教国の外交官と話をしていて、ふと気づかされたことがあった。「インドにはイスラム教徒が1億8000万人もいるのに、彼らは全国政党を持たない。大きな謎だ」。確かに、イスラム教徒はインドの全人口の14%程度だが、全国的にまとまれば一定の政治力や影響力を持てる。

     後日、イスラム教徒のコミュニティーの中心になっているニューデリーの下町のマドラサ(イスラム教宗教学校)を訪ねた。放課後の教室で疑問をぶつけると、イスラム教徒特有のあごひげをはやした教師のアランビールさん(39)は笑った。「大きな政治力は必要ない。インドのイスラム教徒の多くは世俗主義者。社会的権利もヒンズー教徒と変わらないし、彼らと同じ政党で十分。インドの良さは互いを尊重する寛容さだ」。さらに「30年以上前、ヒンズー至上主義団体の運営する近所の小学校に通った。差別もなかったし友人も多い」と言う。

     ただ、アランビールさんは最近、好物の水牛の肉を弁当に入れなくなった。ヒンズー教徒が神聖視する牛肉と勘違いされると襲われる恐れがあるという。インドでは近年、宗教の違いを背景とした牛を巡る事件が急増した。アランビールさんは言う。「原因は不明だが嫌がらせは増えている。もし私たちが全国政党を持たざるを得なくなったら危機かもしれない」

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