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手で見るいのち

(6)大学受験の高い壁 断念迫られた化学の道

大学で化学を専攻することを目指した江藤昌弘さん=神奈川県内で2018年5月10日午後7時41分、柳楽未来撮影

 筑波大付属視覚特別支援学校(東京都文京区)の中学1年で、1年間にわたって葉っぱと骨を触って観察する授業。1975年から続くその授業の“第1期生”に、江藤昌弘さん(55)がいた。同校で初めて、大学で自然科学を専攻することを目指した生徒だ。

 江藤さんは東京都東村山市で生まれた。歩き始めて間もなく、しょっちゅう壁にぶつかったり転んだりするため、両親が病院に連れて行ったところ、目が見えていないことが分かった。それでも大工だった父親の錦一さん(故人)は、まだ幼い江藤さんを積極的に外に連れ出した。近くの山でタケノコやゼンマイを採ったり、ドジョウを捕まえたりして遊んだ。「カミキリムシに指をかまれた痛みを今も覚えている」と江藤さんは言う。

 幼稚園に行くころになると、錦一さんは自分が手がけている家の建築現場に江藤さんを連れて行き、くぎ打ち…

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