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社説

1年半ぶりの党首討論 本質そらしは首相の方だ

 これでは党首討論は不要だという声が強まるばかりではないか。それが心配になる。

 安倍晋三首相と立憲民主党の枝野幸男代表らとの党首討論がきのう、行われた。開催は実に約1年半ぶりだ。だが、相変わらず首相は聞かれたことにまともに答えず、時間を空費する場面が目立った。

 森友・加計問題に対する国民の疑念が晴れないのはなぜか。首相はなお、分からないのかもしれない。

 首相の姿勢を端的に表していたのが、枝野氏に対して語った「同じことを聞かれれば、同じことを答える(しかない)」との答弁だ。

 枝野氏の質問は新たに明らかになった財務省と森友学園との交渉記録に基づき、首相の妻昭恵氏の関わりをただしたものだ。ところが首相は従来の説明を繰り返し、「私や妻の問題に持っていこうとするから本質からそれていく」とまで語った。

 加計問題では、愛媛県の文書に記された首相と学園理事長の面会について学園が「担当者が、実際にはなかった面会を引き合いに出した」とコメントした点も取り上げられた。

 これが事実なら学園は首相の名前を利用したことになる。しかし首相はこの日も「民間団体に政府としてコメントしない」と評価を避けた。

 財務省の文書改ざんなど一連の重大問題は、すべて首相を守るためではなかったか。共産党の志位和夫委員長が指摘したように、多くの国民がそれが本質と見ているはずだ。

 にもかかわらず首相は文書改ざんは「最終的には私の責任」と言う一方で、文書保存のシステムに問題があったと強調した。問題をすり替えているのはやはり首相である。

 首相が言うように党首討論は「国家の基本政策」を議論する場だ。国民民主党の玉木雄一郎共同代表もそれを意識したのだろう。日米関係を中心にただした。

 ただし、玉木氏が米国の自動車関税引き上げ問題で「トランプ大統領から事前に連絡はあったか」と聞くと、首相は鉄鋼・アルミニウムの輸入制限話を延々とした末に、肝心の答えは「詳細は話せない」だった。いかに時間がもったいないことか。

 党首討論の時間はわずか計45分間。時間の大幅延長が必要だが、まず改めるべきは首相の姿勢である。

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