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余録

「のばそうよ 健康寿命 歯みがきで」…

 「のばそうよ 健康寿命 歯みがきで」。日本歯科医師会が主催する「歯・口の健康啓発標語コンクール」で、昨年度の最優秀賞を受賞した作品である。虫歯の「む」(6)「し」(4)の語呂合わせで虫歯予防と早期治療を呼びかける「歯と口の健康週間」がきょうから始まる▲病気をしないで長生きできる健康寿命が重視されるようになった。それを都道府県別で見ると格差が広がっているという研究もある。原因はさまざまあるとみられるが、歯の健康は大事なバロメーターであろう▲子供の虫歯は随分減ってきている。歯磨きの習慣やフッ素を使った予防が浸透してきたためらしい。だが、虫歯が多くできる子供とゼロの子供の両極化が進んでいるといわれる▲東京都足立区が2015年に区立小学校の1年生を対象に行った調査は気がかりだ。生活困難世帯の子供は、そうでない世帯の子供と比べて5本以上の虫歯がある割合が2倍に上る。菓子を自由に食べ、歯磨きの回数も少ない。肥満の割合も高かった▲生活困難世帯では、親は不安・抑うつ傾向が強いことが分かった。子供の健康がこうした家庭環境の影響を受けるのは避けがたい。家庭の事情による教育の格差も重大な問題だが、社会は子供の健康格差の解消にも本気で取り組まなければならない▲歯の標語に通じる中村草田男(くさたお)の句がある。<万緑(ばんりょく)の中や吾子(あこ)の歯生え初(そ)むる>。わが子に初めて歯が生えた時の喜び。生命力あふれる草木の緑がまぶしい今ごろの季節である。

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