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社説

外国人への日本語教育 国が率先して制度作りを

 日本に住む外国人が安心して社会生活を送るための環境整備が課題となっている。中でも重要なのが、日本語能力の向上だ。

     法務省によると在留外国人は昨年、256万人となった。年々増加しており、日本語を理解できず地域社会に溶け込めなかったり、意思疎通がうまくいかず学校や職場でトラブルになったりするケースもある。

     日本語教育の体制は、急増するニーズに対応できているのだろうか。

     文化庁の2016年度調査では、約22万人の外国人が日本語を学んでおり、5年で9万人近く増えた。だが、教える日本語教師約3万8000人の6割はボランティアという。

     留学生などを除く大人向けの日本語教育はこれら地域のボランティアに支えられているのが現状だ。

     一方、子供たちへの支援体制も十分とはいえない。文部科学省によると16年度に日本語指導が必要な児童生徒は約4万4000人で、06年度の1・7倍に上る。

     外国人が多く住む地域以外にも数人が在籍している学校が増えており、多国籍化も進んでいる。

     指導は研修を受けた教員などが担当する。しかし、教員数は足りておらず、NPOなどの善意で支援を受けている子供も多い。

     文科省は教員向けに教え方の指針や教材を作成しているが、多様化する現状には追いついていない。

     同省は日本語指導が必要な子供のために、国語や算数の授業を別の教室でできるようにした。だが、外国人が多く住む地域が中心という。

     大人から子供まで支援の充実が必要だ。ところが、現状では外国人への日本語教育について行政の責務を定めた法令はない。国は財政措置や人材確保を可能にする制度創設に取り組むべきだ。

     超党派の議員連盟が日本語教育を進める基本法の原案をまとめた。国や自治体の責務を明確にし、日本語教育を希望するすべての人に機会を確保することや教育水準を向上させることを基本理念にしている。

     日本への留学や就労を目指す外国人を対象にした、海外での日本語教育の充実も欠かせない。

     国は外国人労働者の受け入れを増やす方向だ。ならば、支援体制の議論を国が率先して行うべきだろう。

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