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将棋

第76期名人戦七番勝負 挑戦者・羽生善治竜王-佐藤天彦名人 第3局の10

味の良い王手 観戦記・加藤昌彦

 佐藤は[後]5七歩(図)を利かして[後]7六歩だが、歩を使ったために[後]7七歩成[先]同桂[後]7六歩の攻め筋がなくなってしまった。

 羽生は思い切って、[先]3四桂と銀を取りながら後手陣の急所に迫る。「歩のない将棋は負け将棋」の格言が頭の中に浮かんできた。

 後に戻れなくなった佐藤は、[後]7七銀と打ち込んだ。[先]6九玉に[後]8一飛と金取りに出るが、[先]5四歩が厳しかった。歩があると[後]5五歩で止まるが、後手には歩がない。

 佐藤は仕方なく[後]8五飛だが、銀を取りながら[先]6四角の王手の味が、あまりにも良すぎる。

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