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インタビュー・最前線

エースコックベトナム・梶原潤一社長

エースコックベトナムの梶原潤一社長

食べる人の味覚を尊重

 中国やインドネシア、日本などに次いで即席麺消費量が多いベトナムで即席麺のシェア5割超を誇る「エースコックベトナム」(ホーチミン市)。エースコック(大阪府吹田市)の現地法人として同社を設立し、ベトナムで圧倒的シェアを占めるに至った道のりや、近年の社会貢献事業への取り組みについて梶原潤一社長(65)に聞いた。【聞き手・岩崎日出雄、撮影・藤田裕伸】

     --どんな商品が売れているのですか。

     ◆最大のヒットは2000年に発売した袋麺「HaoHao(ハオハオ)」で、ベトナムで即席麺の消費全体の3分の1を占めるナショナルブランドです。この国で生産を始めた1995年、即席麺の味はベトナム人の好みとは違っていました。ベトナム人は鍋料理が大好きで、しめにラーメンを食べます。その「しめラーメン」の味を再現してハオハオを売り出しました。

     --味を開発するノウハウは。

     ◆味はベトナム人の判断に任せています。ベトナム人担当者が開発したスープについて、市場調査やベトナム人社員の食べる様子をもとに商品化の可否を判断します。そして、その味をスープや麺などに再現する段階で日本の設備や技術を生かします。昔、小学生の娘や息子にアイスクリームを買ってあげるとチョコミント味を選びました。私も試しに食べたのですが、どうもうまいとは感じない。それ以来、自分の嗜好(しこう)で判断せず購買層の味覚を100%尊重することにしています。

     --品質について。

     ◆95年にホーチミン市で生産を始める前、市場調査でベトナム人の家庭を訪ね、即席麺に湯をかけて待つのが主流だと知りました。そこで、カップ麺の製造設備を持ち込み、煮込まなくても均一に戻る麺を提供しました。また、日本レベルの本物の即席麺を提供しようと、小麦粉など原材料の多くを輸入しました。このため、当初価格は他社の倍ぐらいしましたが、日本の取引先に現地企業を指導してもらって設備や技術を改善し、原材料を国内調達できるようにしました。これによって約5年で大幅値下げができました。

     --営業努力について。

     01年に北部のハノイ市近郊でも工場を稼働させ全国統一価格を実現しました。南北に長いベトナムでは、多くの企業が南の産品を北で売る際に輸送費を上乗せしていました。ハオハオは初の統一価格となり浸透を支えました。また、営業マンが卸売店に通って販売促進を依頼し販促品も提供しました。紙幣計数機が人気でした。

     --多くの社会貢献に取り組んでいます。

     ◆「社会に役立つことをしなさい」が創業者の口ぐせで、訓示でも連発していました。交通安全事業やオーケストラへの協賛、被災地支援、奨学金支給など、積極的な社会貢献を心がけています。


     ■人物略歴

    かじわら・じゅんいち

     1952年、大阪市生まれ。74年エースコック入社。93年からベトナム事業の発足を担当。その後、常務取締役東京支店長、専務取締役マーケティング本部長を経て2010年から現職。

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