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豊島の産廃問題

残留産廃に揺れる県 処理方法検討が難航 公害調停は「再生利用」 無害化施設解体、民間へ依頼も /香川

産廃が保管されている豊島の仮置き場=香川県土庄町で、岩崎邦宏撮影

 豊島(土庄町)に残っていた産業廃棄物について、県による処理方法の検討が難航している。昨年まで溶融処理をしていた直島の中間処理施設は解体中で使えない。処理方法を定めた公害調停の成立から、6日で18年。調停の条項に「副成物の再生利用を図る」と盛り込まれた趣旨を損ねない活用策を、代わりの処理施設とともに見つけられるかが鍵となっている。【植松晃一】

     ■ドラム缶に中身も

    仮置き場に積み上がる産廃=香川県土庄町の豊島で、岩崎邦宏撮影

     県廃棄物対策課によると、残留産廃は地下水浄化対策の際や、4、5月の再調査で確認した。処分場の7カ所から掘り出され、島内で汚泥約610トンと、ドラム缶のような金属塊52個を保管している。九つのドラム缶には固体や液状の内容物が残っており、成分を分析中だ。

     7カ所のうち5カ所は、幅1メートルの溝を4メートル間隔で掘る手法の再調査中に見つかった。産廃はそれぞれ東西4~8メートル、南北4~9メートルの範囲で広がっていた。再調査は不法投棄現場全体の2割を掘削するものだったため、県は残る8割の対象地の地下にも産廃が残っている可能性を否定しないが、あったとしてもより小規模だとしている。

     ■副成物の利用前提

     公害調停で定められた搬出期限である昨年3月までに運び出された約91万トンは、直島町の三菱マテリアル内にあった県施設の溶融炉で無害化処理し、生じたスラグ類はセメント原料などとして再利用している。だが、その施設は操業を終えて解体作業を進めている最中。このため、県は民間などの外部施設に処理を依頼せざるを得ない状況だ。

     県は処理方法について、「(副成物を含め)『有効利用する』と説明できるような方法を考えている」とする。民間の炉での焼却も検討候補の一つとみられるが、豊島のものではない廃棄物と一緒に燃やした場合、生じた灰などはどこからどこまでが豊島の産廃なのか見極めが難しい。副成物の再利用を図るとする調停の理念を厳密に守るためには、他の廃棄物由来のものも一定量、再利用に回さざるを得なくなる恐れもある。

     ■住民反発の過去も

     豊島からの産廃搬出に追われていた昨年1月、県はスラグ類を埋め立て処分する可能性に言及したが、その後撤回した。その際、「公害調停の条項に反する」と住民らの猛反発を招いた経緯もあり、県は調停条項を強く意識せざるをえない状況だ。このため、残留産廃の副成物を再生利用しないという、調停条項の趣旨にそぐわない選択肢は県に無いのが実情だ。

     豊島産廃について現在の県予算で確保できているのは調査費だけ。処理方法が固まれば、県議会に必要な経費を諮る必要も出てくる。このため、近く始まる定例県議会で何らかの方針が示される可能性もある。

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