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親ありて

サッカー日本代表・槙野智章さんの父母 槙野成伸さん、令子さん/上 1点500円、楽しみを結果に

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会が14日(日本時間15日)に開幕する。6大会連続出場の日本代表で最終ラインを任される槙野智章選手(31)=浦和レッズ=の両親は、「幼いころから病気ではなく、けがが心配だった」と振り返る。その活発さをサッカーで存分に発揮できるよう導いた。

     「色黒で、サルに似ていてどうしようと思った」。母令子さん(59)は、槙野選手の出生時の思い出をそう語る。3800グラムで生まれてきた男の子は、母乳が出ないと怒って泣くほど元気いっぱい。「器量は徐々に愛らしくなった」(令子さん)といい、9カ月で歩き、11カ月で走った。

     3人兄弟の末っ子で、広島市で育った。赤ちゃんの頃からおもちゃはボール。父成伸さん(61)と兄たちがプレーしていたこともあり、サッカーは身近だった。公園でボールを蹴ったり、外食に行ったときは待ち時間に4人でリフティングをしたり。とにかく活発で、小学1年のとき運動会直前に遊具から落ちて右腕を骨折。だが、ギプス姿で徒競走に出場し、ぶっちぎりの1位に。その翌年には自転車に乗っていてタクシーと衝突し、ボンネットに乗り上げたが着地。何事もなかったかのように帰宅した。

     性格は、成伸さんの話術と、令子さんの常に明るく前向きな姿勢を受け継いだ。愛嬌(あいきょう)があって憎めないが、年上にも遠慮せず、食卓ではギョーザを何個食べたかで兄と張り合う。5学年上の長兄伸一(のぶかず)さん(35)を「ノブ」、2歳上の次兄の哲人(てつひと)さん(33)を「テツ」と呼び捨てにし、令子さんをあきれさせた。小学校へは制服を着ずに、いつもジャージー姿で登校。教室ではムードメーカーで正義感にあふれ、担任教師には「クラスの子は槙野の言うことに従ってくれるから助かる」と信頼された。

     Jリーグ開幕に刺激を受け、本格的にサッカーを始めようとしたが、地元クラブに低学年は入れなかった。そこで小学2年のとき、隣町のサッカークラブに入部。誰もが目を見張るキック力を持ち、高学年の子が蹴るようなシュートを打った。小学3年で高学年チームに入ってプレーし、4年でレギュラーに。当時のポジションはFWで、10人抜きでゴールを決めて周囲を驚かせた。

     槙野選手のサッカーへのモチベーションを高めたのは、なんと「お金」だ。令子さんが「試合で1点取ったら500円あげる。頑張って点を取って勝ってよ」と声をかけると、「よっしゃー! オレ頑張る」と結果を出した。「5、6点取ったこともあるんです」と成伸さんは苦笑い。お金はゲームソフトの購入に充てられた。子どもをお金で釣ることには賛否がありそうだが「楽しみがあったほうがいいかな、と。学校の成績も、上がったらお小遣いをあげていました。何でもいいから一つでもほかの子に負けないものを持って、伸ばしたほうがいい」と令子さん。人に迷惑をかけたときは当然叱るが、普段は褒めることを心がけて育てた。

     豚汁が好きで「トンジ」と呼ばれたサッカー少年は小学5年のとき、サンフレッチェ広島ジュニアユースに誘われた。翌年、槙野選手は入団テストを突破、プロへの道を進むことになる。【福田智沙】


    1987年 5月11日誕生

    2000年 サンフレッチェ広島ジュニアユース入団

      06年 広島でプロに

      09年 日本代表に初選出

      11年 1FCケルンに移籍

      12年 浦和レッズにレンタル移籍。翌年完全移籍

      18年 初のW杯代表入り

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